「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧
【初・中級者向き】映画「千と千尋の神隠し」と8月の嵐の後の投資作戦
(第976回) 2019・8・18 ご存知の通りの宮崎駿監督の傑作で日本歴代興行収入第1位。第75回アカデミー長編アニメ映画賞と、第52回ベルリン国際映画祭で金熊賞を獲得している。 千尋という名の10歳の女の子が、父母と三人で引っ越し先の向かう途中に立ち寄ったトンネルから神々の世界に迷い込んでしまう。父母は神々の食物を食べてしまったために豚に変えられた。千尋も帰り道を失って消滅しそうになるが
【初・中級者向き】映画「崖の上のポニョ」と債券バブルの崩壊
(第975回)2019・8・11 ご存じの宮崎駿氏の原作・脚本・監督の長編アニメの秀作。2008年公開当時、まだ幼かった孫娘が「ポーニョ ポーニョ さかなの子」とかわいい声で歌ったのが忘れられない。 魚の女の子のブリュンヒルデ(本名)は、海の女神の母と魔法使いの父に育てられている。或る日、家出して海岸にやってきたこの女の子は、ジャムの空き瓶に頭が挟まって抜けなくなったところを、保育園児の宗介に
【初・中級者向き】映画「工作 黒金星(ブラックヴィーナス)と呼ばれた男」と日韓関係の「次の手」
(第974回)2019・8・4 私としては珍しく韓国映画を観た。ご存知の通り、日韓関係に絡んで、「今後をどう見てますか?」という問い合わせが多いので、ひとつ、まとめてみるか、それに絡んで一本、見ておくか、くらいの気持ちで観た。ところが結構見ごたえのある力作だった。 時代は1992年。韓国軍将校だったパクは上司に命じられて工作員になる。事業家に成りすましして、北京で要人と接触、情報と引き換えに「
【初・中級者向き】映画「天気の子」と意外なリスクの検討
2019・7・28 (第973回) 前回「君の名は。」で超大ヒットを飛ばした新海誠監督の新作で、周囲は若い人でムンムンしていた。お話は主人公の高校1年生森嶋穂高が田舎から都会に出てきて、船で知り合った人の事務所で働くところから始まる。 その事務所で「願うだけで晴れをもたらす少女」という都市伝説を調べて、ついに天野陽菜(自分では18歳と主張)を発見する。この少女は一部の場所だけだが晴れをもた
【初・中級者向き】映画「さらば愛しきアウトロー」と過剰流動性相場の出発
2019/07/22 | マーケットEye, 無料記事 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
(第972回) 2019・7・22 ロバート・レッドフォードの引退声明で大いに注目されている近作。実在したフォレスト・タッカーという人物の晩年を描いた。舞台は1980年代のテキサス。 この人は刑務所脱獄を18回成功し、12回失敗して、その間に銀行強盗を繰り返してきたアウトローである。強盗を働くときの物腰は柔らかで紳士的。上着の内側にあるピストルはちらりと見せるだけで、決して使うことはない。
【初・中級者向き】ミュージカル「王様と私」と世界中にヤマほどあるリスクの検討
(第97回)2019・7・15 高名なミュージカル界の大スターのケリー・オハラと渡辺謙の主演。チケットをかなり無理して手に入れて観た。たまたまBSでデボラ・カーとユル・ブリナーの映画をオンエアしたのでこれも録画。舞台の前に予習して観た。 リチャード・ロジャーストとオスカー・ハマースタイン二世の名作。私はユル・ブリナーが、がんにかかっていたのを公表しながら最後の上演をしたのをNYで観た。流石
【初・中級者向き】映画「七人の侍」とNYダウ新値更新の背景と「当り屋」「外れ屋」
(970回)2019・7・7 ご存知黒澤明監督の歴史的な名作。七人の侍が集まる過程の面白さ、野武士軍団と農民たちと七人の侍の攻防戦など、何回観てもスリリングな展開にぐいぐいと引っ張られてゆく。 この映画の冒頭シーン。野武士の頭目の「去年、この村から米をかっさらったばかり。麦が実ったらまた来よう」という声を、隠れていた農民が聞く。 ここからお話が展開してゆくのだが、私は「麦の刈り入れ時」という