実録 投資セミナーに行ってみた!!
~クラウドファンディング編①~
イケメン風講師が口走る“元本保証性”

ジャイコミ編集部

投資セミナーに行けば、販売会社がどんな投資商品を売りたがっているのか、どのような口説き文句を使っているのかがわかる――。

このコーナーでは、都内各所で開かれている大小さまざまの投資セミナーに潜入し、その実態をレポートする。参加するセミナーはジャイコミ編集部が独自に選ぶ。

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記念すべき第一弾はクラウドファンディング編だ。

最低投資金額1万円で年率5~6%の利回り

クラウドファンディングとは、多数の資金提供者(=crowd〔群衆〕)から資金を調達する(ファンディング)という意味で、個人や企業が主にインターネットの仲介業者を通じて出資を募る。現時点では、出資の見返りに商品やサービスを提供する「購入型」、見返りを求めない「寄付型」、利回りが得られる「融資型」などがある。

今回、セミナーに参加したのは「融資型」のクラウドファンディング。ホームページをみると、最低投資金額は1万円からで、「予想利回り」として年率5~6%を謳っている点が目をひいた。

60人収容できるというセミナー会場を見渡すと、参加者は14、15人でうち3人が女性。50代くらいの男性が一人いるが、ほとんどは20代から30代のようだ。

そうこうするうちにイケメン風の講師が登場。セミナーが始まった。

 「株やFXと比べて元本保証性が高い」

投資セミナーの導入部分で定番の話が、人口減少で縮小する日本経済と社会保障費の増加の解説だ。資産運用で自分の身を守らなければ、悲惨な老後が待ち受けていると暗に語る。そんなあなたにクラウドファンディング、というわけだ。

以下、イケメン風講師の発言から商品の概要をみてみよう。

当社のクラウドファンディングは直近で累計の投資金額が20億円を突破した。サービス開始1年で脅威的なスピード。ファンドの本数は現在132本。

世界のクラウドファンディングは2013年時点で5000億円とされる。14年は1兆円に達したのではないかとみられている。一方、日本ではまだまだ知名度が低い。

投資総額約20億円のうち償還総額(出資者に戻した金額)は約5億円で、実績ベースの利回りは5.6%。この5~6%という利回りは銀行や投資信託と比較しても魅力的な利回りでは。

毎月、もしくは3カ月ごとに分配もある。おカネが増えていく感じを味わったとのお声を頂いている。融資は長いものは1年。短いものだと3カ月。返済されることが前提なので、株、FXと比べると元本保証性が高い。

スライドに映し出された資料では「元本保全性」という言葉が使われている。融資には担保を取っているものもあるようなので「元本保全性が高い」というのは理解できる。

だが、イケメン風講師が口にしたのは「元本保証性」。人を惑わすためにわざとこの表現を使っていないかとツッコミたくもなるが、もう少し続きを聞こう。

(なお、この会社のホームページにある商品紹介欄の注意書きには、「投資は元本が保証されるものではありません。出資法により元本を保証することは禁止されています」とある。イケメン風講師が「元本保証」と「元本保証性が高い」を区別していると信じたい)

5~6%という利回りは「この低金利の時代に高く、なんとなく怪しい」とも言われるが、いろいろな仕組みでこの収益性を確保している。

まず、われわれは少人数でやっているので、銀行のような窓口も営業をやる人もいない。オフィスなどの地代や人件費が大きくかからない。

次に、融資の際の金利が銀行より高い。8~10%の金利で貸している。「そんな金利で借りている会社は大丈夫?」と質問されるが、それにはカラクリがある。

銀行は融資しないが財務がしっかりしている会社はたくさんある。だが、創業から3年以内の会社や今年度は黒字でも前年度が赤字の会社への融資を銀行は嫌がる。貸し付け額が少額のものや貸し付け期間が半年から1年と短い融資も銀行は避ける。

このような財務的には問題ない企業をクラウドファンディングは対象にする。一方で返済確実性はシビアにみている。 われわれは事業を初めて1年なので、信頼が何より大事。恐れているのは貸し倒れの発生。いまのところ、サービス開始から貸し倒れは1件も発生していない。

正直、「カラクリ」というほどの話ではなかった。

商品の具体的な中身がいまいちわからないなと思っていたら、次の説明でようやくイメージがついた。

(後編に続く)

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