【初・中級者向き】映画「ブラックパンサー」と森友と安倍政権

2018・3・26

米マーベル・スタジオの新作で2月に米国で公開されて爆発的なヒット、興行収入は12億ドル。先日のアカデミー賞授賞式でも司会者が「この瞬間でもブラックパンサーはメチャお客を集めている」と言っていた。

同スタジオで初めての黒人が主人公の映画で、監督も主演も黒人、しかも舞台は貧しいアフリカだが、架空の国ロガンダは巨大隕石を利用して豊かな生活。搾取され内乱ばかりしている現実と違う。主人公はこの国の王であり、国を守る「ブラックパンサー」でもある。アメコミの主人公としては型破り、といえるだろう。派手なアクションは他作品と同じだが。

 

実は女性監督、女性主演で「ワンダーウーマン」が大ヒット。「シェイプ・オブ・ウォーター」も女性主演。女性とマイノリティ重視がハリウッドの新潮流だ。映画そのものは、まあ、いつものアメコミ・アクション。

典型的な彼岸底形成パターン、今週から反発

23日は大変な一日だった。岩盤底、と見られていた2万900~1000円の底を簡単に破ったし、1ドル105円の壁も同様。相場の大前提がブッこわれたような、一見、印象を与える。前日のNYも724ドル安だったし、NASDAQも178ポイント下落した。

 

何せ期末で日本の機関投資家は手が出ない。個人の方は籠池聴聞や27日の佐川証人喚問で、マスコミのバカ騒ぎも手伝って買いを手控える。外国、とくにヘッジファンドの売りは大した量じゃなかったが、吸収できずに1時1000円安と相成った。底値で大幅下げ、はよくあること。典型的な彼岸底形成パターンだ。今週から株価は極めて高い確率で中長期反発、円安に入るだろう。もちろん、おっかなびっくりだからスタートは一進一退だろうが。

貿易戦争も日本は無縁

貿易戦争騒ぎは、実は日本は大丈夫だ。先日ペンス副大統領が平昌五輪で来日した時、関税問題を持ち出したら、日本製品には米国でどうしても必要なものが多いから、品目交渉で影響ないようにすると言って笑ったとか。

 

森友問題。野党は安倍さんに9月の自民党総裁選不出馬か、少なくとも麻生財政相辞任を狙って、昭恵さんを証人に呼びたくて仕方がないらしい。

 

結論。身体がよほど悪くなければ安倍三選だろう。キーマンは二階幹事長だが、人づてに聞くと「自民党の支持率はむしろいい。要は内閣支持率が8月に上昇していればいいんだろう」という見方らしい。自民党長老たちは少々腰が引けているようだが。

 

たしかに昨年10月22日の総選挙時の自民党の比例区得票率は33・3%、3月のNHK調査では36・3%。野党は減らしているところがほとんどだ。(立憲民主党19・9→10・2、希望17・4→0・6%。)

金正恩は条件つき降伏

4月中旬にはトランプ大統領と日米首脳会談をやるし、外交で支持率をあげられる。12月の沖縄、来年4月の統一地方選、参院選をやる前に、「北」の展開次第だが拉致問題で打点を稼ぐ手がある。

 

そんなに「北」を楽観視していいのか?という声がありそうだ。私はいずれ詳しく書くが、金正恩は「核放棄を条件に、現体制維持」という条件付き降伏した、という一般的でない見方をしているから。現に寧辺の黒鉛炉は停止した。

 

話を相場・円レートに戻す。日本株8兆円を売却した外国人。6兆円は先物だから、いずれ買い戻さなくてはならない。株安は企業経営者にとって自社株買いのチャンス。円レートの方は、あと年内3回もある利上げはやはりドル高の材料だし、原油価格も円安。

じゃあ3月23日の騒ぎは何だったの?と聞かれそうだし、テクニカル・アナリストに怒られそうだが、「ダマシ」じゃないかなあ。

 

映画のセリフから。主人公は演説する「対立は話し合いで解決すべきだ。対立点より共通点の方が多いから。私の国で昔から言っているが『賢者は橋を作り、愚者は壁を建設する』」。

この映画は相当なトランプ嫌いが作っているらしい。

映画「ブラックパンサー」と森友と安倍政権(第902回)

 

 

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

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