TVドラマ「半沢直樹」と日米政界の逆転シナリオ(第1027回)
「やられたらやり返す、倍返しだ!!」のセリフが有名、いまや誰一人知らぬもののないドラマになった。私の記憶では石原裕次郎の「嵐を呼ぶ男」で(パンチを食った後に)「倍にして返すぜ」が、この手のかっこいいセリフの元祖だと思う。
このTVドラマでは、敵役にすごい芸達者を配したのが、ヒットの理由だ。香川照之、片岡愛之助、市川猿之助、みんなニクニクしい。これが最終的に、口惜しそうな顔をしながら場合によっては土下座して謝る。これで視聴者の胸がすっきりする。普通の社会人はやられたらやり返すなんてことは、なかなか出来ないものだから。
池井戸潤さんも堺雅人さんも、いい仕事をしている。堺さんは唇で演技する俳優で、耐える表現が巧みだ。
さて今日のテーマに入ろう。二つ。はじめは米国だ。
5月末のこのブログでも書いたが、再び表面上有利そうに見えている民主党バイデン大統領候補だが、トランプ大逆転の方の確率の方がすごく高い。私はほぼ確信している。
理由は五つ、順に説明する。
- 始めからこれを述べると身もフタもないが、有権者はTV討論会を見たあと、投票日の2,3週前に投票する候補を決める。従って、現在の世論調査は、あまり信用しないほうがいい。
- 全米の登録有権者は、戦後長期にわたって、民主党支持者が2~5%共和党のそれを上回っている。(パルナソス・インベストメント、宮島秀直チーフ・ストラテジスト)従って、バイデン候補が表面上5%リードしていても現実にはチャラ。
- (これも宮島さん情報だが)トランプ陣営の7月15日の選挙対策本部長の人事が相当いい戦略との見方が出てきていること。
この日、これまでの選対本部長のブラッド・パースケール氏を副部長とし、これまで副部長だったビル・ステピエン氏を本部長とした。
これはトランプ陣営の「背水の陣」。これまでの本部長はメディア操作の名人、新本部長は「有権者掘り起しのプロ」に任せて、いよいよ本気ということである。
- 「かくれトランプ」の存在。ジョージア州のトラファルガー・グループは2016年の調査でトランプ勝利を予測した世論調査会社。一般的に社会が望ましい回答に反するときに、ウソをつくことが少なくない。これが「かくれトランプ」である。8月上旬現在、トランプ大統領は有利、とする。
- 案外いわれていないが、NY株高もトランプ再選を読んでいる。なぜか。バイデン候補がGAFAに代表される急成長銘柄の企業分割を含む厳しい姿勢をとっていることは有名。これに加えて法人税引き上げ、富裕税と来てるんだから、バイデン当選を市場が読んでいるなら、NASDAQがあんなに上昇するワケがない。
そうは言っても元補佐官スティーブ・バノン氏の逮捕があるじゃないか、とか、好調な経済という切り札を失った、とか、イマイさん、例の財務申告問題は?という声が聞こえそうだ。
順に説明しよう。バノン逮捕は同氏の個人的スキャンダルで、恐ろしく反トランプの検事がやったのだろう。私の知る限り、いまさらトランプの支持層がこれで離反したとは思わない。現にラスムッセン調査では、トータル支持はマイナス11からマイナス1に向上している。
またいまの労働統計からすると、10月下旬には相当回復して現在の失業率は相当下がる。また8月3日の「失業者への住宅立ち退き猶予給付金600ドル上乗せ」は効いている。それに「10月下旬にワクチン多量供与で対コロナ戦争勝利宣言する」という噂が絶えない。
例の2つの最高裁での財務諸表公開訴訟は、両方とも差戻し。しかも7対2という大差だった。大統領選にこの件は関係なしになった。ウラでは相当モメたと思うが。
むしろオバマゲートにからんで、強制的にフリン元補佐官にウソの証言をさせるべくFBIが動いた件について、9月中か遅くとも10月の調査報告がでる。バイデン氏もオバマ氏もこの件ではモロに叩かれる。
ただ、在米の冷泉彰彦さんは、共和党内のミゾを指摘している。(私も書き手として参加している時事総研のコメントライナー 8月12日付)
なぜミゾが出来たか。4月から6月ごろのコロナ感染爆発は、ニューヨーク州など民主党の強いブルーステートばかり。当時トランプ大統領は民主党州知事を批判し、都市封鎖に反対していた。トランプ本人もマスクを直用しなかった。
6,7月になると逆に共和党知事が多い南部、中西部の州で感染爆発が起こり、結果的には共和党の州知事たちは非常事態宣言を出さざるを得なかった。
冷泉さんによると、トランプ陣営の大逆転のための狙いどころはある。主なものを列挙する。
- 人種問題に対するデモが暴徒化し、世論が秩序を要求し始める。②ワクチン完成。③中国との対立激化。これでバイデン氏は中国寄りと批判出来る。⑤バイデン氏の健康不安(認知症)
これに加えて連邦最高裁判事のリベラル派ギンズバーグ氏の健康問題での辞任。これが起これば、超保守派判事を送り込む段階で、大統領と議会が団結を回復するケースもあり得る、ワイルドカードとの見方だ。
冷泉さんはやはり在米の人だから、トランプ氏への見方がやはり冷たい。また激戦となりそうな州の情報もはいっているのでそうなのだろう。
しかし、私は自分のフトコロからカネを出して情報を集めて賭けるブックメーカーの情報の方をより重視する。あるブックメーカーの賭け率(8月27日現在、ついでに言うとこの日は私の誕生日です)
トランプ5/4
バイデン9/11
つまり100ドル賭けるとトランプは125ドルに、バイデンは60ドル。こんなにすごい差でトランプ勝利をみているのだ。
8月28日安倍首相は辞任の意向を表明した。ついひと月前には、だれも予想していなかった事態である
麻生副首相が暫定内閣と見られていたが、首相は次期首相が決まるまでお仕事は続ける、と述べた。これで石破さんの目はなくなった。菅さんが次期首相になる確率は9割9分だろう。時期は9月下旬だろう。
私はご存じのとうり、以前から、9月はダメ。と申し上げてきたが、今日の瞬間600円安で、来週の外人売りは必至だ。日本株の大きな魅力は政治の安定にあったからだ。2万2000円は割れるだろうが、2万1000円台の下の方で止まるだろう。次の首相が決まるまでは、モタモタするだろうが、11月終わりまでは高いと予測する。
9月中には買い場が来ます。私もその時には買い出動するつもり。ボイスメッセージの「ウラ読みで連絡いたします。大いにご期待ください。夢を持って、ね。
最後にいいセリフ。「だれだって生きてゆくためには、金も、夢も、必要だ!」私はそのお手伝いをして85才となりました。今後ともどうぞよろしく。
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