小説「四十七人の刺客」と脱炭素のもたらすインフレ、ドル高(円安)、そして株高(第1095回)
池宮彰一郎氏の原作を読むのをおすすめする。高倉健主演の映画もいいが、小説に比べるとオチる。この傑作は、死ぬ前に一回、ダマされたと思って読んで下さい。全く発想の違う角度から、この歴史的な事件を見ることができる。
本所の吉良邸内が城塞化してあったという点、そして事件の発端とされた吉良上野介のワイロ要求が、実は大石内蔵助の放ったデマであった。
よく考えてみれば、上野介がワイロ好きなら、何も赤穂のような小藩でなく、加賀や伊達、前田から取ればいい。池宮さんの眼は鋭い。
最近、欧米での言論の中心になっているいくつかの「こうしなければ」を考えてみると、大いに怪しい。まるで吉良上野介のワイロのようなものだ、と私は思う。
「脱炭素」がコロナデフレと違い、設備の廃棄を求めるので、インフレとなる(もちろんせいぜい二年。あとはデフレ)と、前回のこのコラムで述べた。
キヤノングローバル戦術研究所の杉山大志主任研究主幹にお会いしていろいろお教えいただく機会を持った。
その折、杉山さんが編者になっている『SGDsの不都合な真実』がベストセラーになっていると聞いた。
その本の序文から。「SDGsだ、脱炭素だといって世界の政治と庶民の生活を意のままに操ろうとしている人々がいる。(略)それに乗じて儲けている人々がいる。」
杉山さんは「巨大な詐欺的行為が横行している、とさえ述べている。・
その本の中の論文の著者である川口マーン恵美さんが「現代ビジネス」に『SDGsの不都合な真実』を書いた。SDGsとは持続可能な開発目標のこと。その目標がEGSである。
たしかに、欧米でいわれているキャッチフレーズはうまい。
EGS(環境・社会・政治)。だれも反対できない正論に一見見える。ここから「脱炭素」の発想が生まれている。現実には中国による石炭火力発電所建設の独占と、中国の世界覇権への助力にほかならないのだが。ただいいこともあるのは見逃せない。米国の公的私的年金が日本に投資する額を40兆円にする可能性が出てきていること。これはこのブログで述べた。
この本によると、欧州メーカーの「全てをEV車に」という戦略は、日本で得意なエンジン車やハイブリッド車を締め出す、という狙いが併在している。クワバラ、クワバラ。
ただ私はこの騒ぎは、せいぜいあと二年と考える。
なぜか、いまバイデン大統領の不人気と、最重要法案の民主党内部の反乱による否決が近い。中間選挙の大敗は必至だ、トランプ再選?そうなりゃ可能性は大ありでしょうなあ。パリ協定の脱退、このストーリーの雲散霧消。わたしは安倍晋三さんの再登板さえ考えています。勿論この考えは私の独断と偏見。杉山大志先生とは関係ない。念のため。
来週この件は書くつもりです。
さて、最後に前回予告した「欧米、中国のインフレが日本に伝播するか」の答えに入る。
「伝播する」と、私は考える。
ただし条件つき。岸田政権が推進している三%以上の賃上げの成功。実体的な収入が上昇しない限り、デフレは継続する。
それにしてもドル高、円安はつづくので、企業収益は上昇。
何回か前のこのブログで「人口減少でダメなはずの日本で株だけが上がる理由」を書いた。企業収益が、低金利、低税負担、円安で上伸する。だから株は高い。
これを内容に加えて、今回、新著を書いた。
『2020 日本のゆくえ』を書いた。48冊目で2022年1月19日に店頭に並ぶ予定。
どうぞ、お読み下さい。
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