映画「殿、利息でござる!」と私の日経平均4万円説の背景(第1113回)

日本映画としては珍しい金融問題を取り扱った作品。中村義洋監督で、瑛太と妻夫木聡が主演。磯田道史さんの「無私の日本人」に所収されている「穀田屋十三郎」という評伝を原作としている。

250年前の江戸時代。財政難の仙台藩は重税を課し、そのために破産と夜逃げが相次いで発生していた。

小さな宿場町の吉岡宿で、さびれ果てた街の将来を心配した顔役兄弟が、途方もない案を考え出した。

「逆転の発想」という言葉があるが、この案は搾取されている町人や百姓が、搾取する方に回るというもの。1000両(3億円)を集めて仙台藩に貸し付けて、利息を取るという名案である。

現在はウクライナ情勢と資源インフレ、円安、それに中国のコロナショックなど、見通しのつかない材料ばかり。

加えて大型連休とあって、どちらかというと軟調な相場が続いている。

4月第1週と第2週に、信託銀行が7629億円と大幅な売り越しだった。恐らく年金勢が調整売りを出しているのだろう。

しかし、ここは「逆転の発想」が必要なのではないか。強気でいい。

まず企業収益は好調である。4月25日現在、日経225種のうち18種が発表、日本個人投資家協会の木村喜由さんの集計では、1〜3月純利益は合計5,074億円で前年の10倍以上。

問題のウクライナ情勢も、報道によると双方に停戦模索の動きであるという。

欧州系シンクタンクのロシアの戦費1日2兆円は(私はケタがひとつ分誇大だと思うが)予算で年間63兆円の国が、そうそう永く戦争をやれる筈がない。

ただしロシアは1日10億ドルの戦費を石油とガスで稼いでいるという報道がある。

これは重要なニュースだ。

石油製品はロシア輸出収入の6割を占めるが、欧米は天然ガスの45%、石油の27%をロシアから調達している。

このため欧米は石油、ガスを制裁対象から外した。

ただ、私の米国のソースからは、このロシア依存を軽くするため、米国のシェールガス等に長期契約の申し入れが相次いでいる。この出荷があと何ヶ月かで始まるのだ。

ロシアの「打ち出の小槌」は時間的に限界がある。

遅くもあと数ヶ月でウクライナ問題がカタがつく、としよう。

日本にはチャートで示したように、円安で海外からの旅行者が殺到する条件が整っている。

インバウンドブームが始まれば、「悪い円安説」にすっ飛んでしまう。

5月4日にFOMCがあり、0.5%引き上げらしい。米国株が安いのは当然ともいえる。

これも「噂で売って、実現したら買い」の経験則からいうと、現在が一番暗い状況である。

連日の下落報道に怯える必要はない。

4月26日、日本テクニカルアナリスト協会のウェブナーで、マネースクエアの宮田直彦さんのご意見を伺うチャンスがあった。

「世界金融危機にあった2008年10月以降、日経平均は4年ごとに底入れしており、現在はコロナショックの底値(2020年3月)を起点とする上昇サイクルの中にあります。」

「この4年サイクルは。前半2年、後半2年で構成されており、今年三月の安値(9日2万4681円)は、前年2年サイクルの終了時と考えていい。」

「今後2年間以内に、日経平均は過去最高値(3万8915円)を更新してもおかしくない。」

ウェブナーでは、日経500種はすでに過去最高値を更新していることも述べられた。チャートを見て頂きたい。

私も4万説を早くから言い出したが、現在は、みんなから笑われている。

しかし3年前に日経平均3万円を題に付けた著書を出版した時も、かなりバカにされた。

それでも3万円は達成された。今回も同じだと私は確信している。まあ見ていてください。

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