映画「タイタニック」と中国の不動産市場の沈没。反面わが国のインバウンド消費の浮上(第1133回)
この大作は私が日債銀投資顧問の専務時代(1997年)の作品。アカデミー賞作品賞監督賞など、11部門を獲得した。
部下の女性たちがねだるので、何と3回も観た記憶がある。
終盤の名セリフのシーンで、同じ女性(2回も連れて行ったのです!)が必ず泣く。
ジャック(レオナルド・ディカプリオ)がローズ(ケイト・ウィンスレット)に、冷たい海に浸かって凍えそうな局面でいう。
「君は生き延びて、たくさん子供を作って、暖かいベッドで死ぬんだ。」
そして手を離して海の底に___。
何しろ3時間9分もある長編だし、船体が真っ二つに割れて、乗客がこぼれてゆくシーンもすごい。
しかし、私の当時の部下の女性は、最後の船の中でジャックとローズが抱き合うシーンで、又泣いた。(同じメンバーで行った。ジュリアナ東京では大笑いしていたが。)
泣く、といえば、中国国民の多数は泣いているだろう。
大和総研主席研究員の斉藤尚登さんによると、中国の不動産業界の苦悩がひどい。
「恒大のみならず、複数のデベロッパーの資金繰りが悪化し、債務不履行(デフォルト)が相次ぐ。」
「中国の上場デベロッパー55社のうち、20社がデフォルト。うち1社は国営。」
斉藤さんは「住宅購入者サイドの住宅ローン返済拒否が、デベロッパーの資金繰りの悪化ひいては銀行の不良債権につながる」としている。
2022年7月末の住宅施工面積はおよそ60億立方メートル、平均販売価格は20万円。施工面積の10%が問題物件と仮定すると120兆円。頭金を3割と見ると住宅ローンの問題は84兆円となる。
計算上は処理可能だが、デベロッパーの開発意欲、消費者の購入意欲がともに減退している現状から、中国経済全体に与える打撃は大きい。
ちなみに、周辺産業を含めると不動産業界は、中国経済全体の30%を占める。
加えて猛暑と少雨による電力不足。またゼロコロナ政策への固執によるサプライチェーン問題もある。
では、大幅な金利引き下げで、景気を制限すれば、と誰しも考える。
しかし米国との金利差の拡大は人民不安を加速させるので、なかなか思い切った利下げは不可能である。
一方、わが国にはいいことづくめだ。
安倍元首相の国葬は、見方を変えればたった16億円で首脳外交ができる。
円レートも一時145円。加えてインバウンド需要がいよいよ本格化しそうだ。
コロナ騒ぎの始まる前のインバウンド消費は4.9兆円。これが2020、21、22と3年間続けて入らなかったのだから、周囲を見回して景気のいい話が少ないのは当然すぎるくらいだ。
これが円安とあいまって、突然の観光客が押し変わる。
いっぺんに景気が良くなり、儲かる人が増える。「悪い円安」説はどこかに吹っ飛んでしまう。
この投稿を書こうと思っていた9月13日、米国の消費者の物価指数の高いのをイヤ気して、ダウは1200ドルもの下落になった。
以前から私は、NY株式は天井を打ったあとの下落相場。 しかもFRBは今後少なくともまぁ4回は利上げする。上げは売り方の買い戻し中間選挙の年はまあダメだから、買い中心の投資をしてはいけない、と口をすっぱくして申し上げてきた。
一方、日本株は3月9日の2万4000円台で大底。上昇基調の中にいる。強気でいい。
狙い目。注目銘柄(確実ではありません。念の為)
三菱重工、IHI、川崎重工、小松などの防衛銘柄がいい。インバウンド関連も。
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