映画「フェイブルマンズ」と欧米の銀行の破綻。(第1164回)
高値比半分になった小麦、そして今回の「ドカ」の行方
人間、歳をとりたくないものだ。誰でも加齢による創作力、発想力が衰えると、必ず自伝的な作品に逃げ込む。アカデミー主要7部門でノミネートされても1部門しか取れなかった。おすすめしない、退屈だから。
今回もシリコンバレーバンク(SVB)その他2行破綻は、急成長の反動と運用の失敗。SVBは2020年末に1160億ドルの預金額を、2021年末に2110億ドルに増やし、全米で第16位になっていた。加えてクレディスイスまで騒ぎになっているが、ECBの救済措置が早速実施されたから、大丈夫だろう。
SVBのケースは、かつてのリーマンとは違う。当時の米国財務長官はリーマン救済をしなかった。しかし、今回は違う。イエレン財務長官は危機封印に懸念である。事態は早く拾集されるだろう。
気になるのは相場の達人レイ・ダリオが、「絶対に同様な破綻が起きる」と断言していることだ。
FRBと財務省の努力が成功すればいいのだが…。
最近のTVは、小麦の価格上げでたとえばうどん屋さんの経営が立ち行かなくなった、という。4月から5.8%小麦の公的価格が上昇する、とも。
とんでもない!
小麦相場は、ウクライナ侵攻前の1BU800セント台から、最近は662セントまで暴落している。2022年3月8日の13ドル63セントの史上最高値に比べると半減している。なぜか。
米国農務省によると_
生産量は2020/2021年度が7億7921トン。それに対し2022/2023年度は7億8380トンと推定されている。
ウクライナは2020/2021年度の3301トンが2022/2023年度は2100トンに激減する。
しかし、ロシアの方は2020/2021年度の7516トンが、2022/2023年度は9200トンと、実に1684トン(22.4%)の大増産。ひところ騒がれた食料危機どこ吹く風。
輸出の方はどうか。ウクライナは昨年度は1884トンこれが23年度は1350トンに減少する。
しかしロシアが3300万トンから4350万トン、カナダが1512万トンから2500万トン、豪州が2751万トンだから、2850万トンに増加。これで前述した通り、食料危機なんてどこの話?となった。
(うどん屋さん、閉店する必要はありませんよ)

これもついでだから、農林水産省の、この23年度の小麦の世界の需要も示す。ここから生産、消費にも順調に伸びている。
さて、終わりに今回の「ドカ」について私見を述べる。
ヘッジファンドは3月に入ってTOPIXを1兆円、4億株買ったところに、欧米の銀行についての悪いニュースが入った。当然、投げに入り、日本株全体の下げは欧米株に比べて大きくなった。TOPIXは3月9日の2071から3月16日に2937まで7%弱下げた。S&Pは3%も下げていないから、日本の方が下げがきつい。
私の見るところ、ヘッジファンドのカラ売りの3分の2は損切りをさせられたから、この「ドカ」は月末には終わり。買い場は__そう、今週です。ガンバレ!
なお私は、3月20日から例によって入院します。8、9日の予定です。
関連記事
-
-
【初・中級者向き】映画「アリー/スター誕生」と2019年の日米株式市場の動向
アカデミー賞候補とうわさされる映画を最近続けて2本、観た。一つは「グリーン・ブック」そして今回の「ア
-
-
木村喜由理事のコメントが『日本経済新聞』(2016年6月4日付け)に掲載されました
ご報告が遅れましたが、6月4日の『日本経済新聞』朝刊の20面「投資機会 開示資料で把握」という記事に
-
-
映画「ナバロンの要塞」と主要国が総力を挙げて取り組むコロナ大不況(第1004回)
冒険映画のランキングを付けたらナンバーワンの傑作。スリルと娯楽性が同居したアリステア・マクリーン
-
-
映画「ホーム・アローン」と私が注目している二つの素晴らしい仕事
映画「ホーム・アローン」と私が注目している二つの素晴らしい仕事 2023・12・24(第12
-
-
映画「殿、利息でござる!」と私の日経平均4万円説の背景(第1113回)
日本映画としては珍しい金融問題を取り扱った作品。中村義洋監督で、瑛太と妻夫木聡が主演。磯田道史さん





