映画「ドライビング Miss デイジー」と聞こえて来る世界不況の足音。本当かな?
映画「ドライビング Miss デイジー」と聞こえて来る世界不況の足音。本当かな?
2023・10・8(第1193回)
ふつうは映画をつけるんだけど、今回は外した。映画のほかに、仲代達夫、奈良岡朋子の共演の舞台が素晴らしく、その記憶があるからだ。
もちろん1989年のこの作品は、アカデミー作品賞、主演女優賞など4部門を獲得した秀作である。
1984年のジョージア州アトランタ。
ユダヤ系の老婦人デイジー・ワサンが買い物に出かけようと愛車に乗り込むが、運転を誤りお隣の垣根に突っ込むシーンから始まる。
息子が心配して専門の黒人運転手ホークを雇う。はじめは反発していたデイジーだが、次第に正直な人柄に打たれて、使うようになる。
以下は省略するが、ラストシーンは、ホークがパイをデイジーに食べさせる。ジーンと来るラストだ。
前回のこのブログでも指摘したが、今回の政府閉鎖の一件は、下院議長解任で一段と見通しが悪くなっている。
11月中旬までのつなぎ予算がある間に全部解決する可能性は、どうも低そうだ。やはりムーディーズの格下げが米国国債にあり、そこから再び下落相場(債券主導で株にも)が発生するリスクは、かなりあると覚悟すべきだ。
私がNYに連絡して取材したところ、次のような「楽観シナリオから悲観シナリオへの転換」が、ファンド運用者間でささやかれている。
つまりFRBが、来年早期に利下げを開始するという楽観派が急速に減少。代わりに「金融引き締めが長期化する」という悲観派が急速に増加している。
もちろん、現時点では米国経済に深刻な悪影響が起きているわけではない。このまま政策金利が現在の5.25%か、5.50%かそれ以上の水準を維持した場合、実体経済への悪影響が心配されているのである。
ファンド運用者に聞くと、次のようなテクニックが使用されている。
現在は短期金利の上昇余地が乏しい。長期金利の上昇が、長短金利の逆イールド解消を進めているのが現状である。
3月初めには10年債と2年債の利回りは0.6%の逆イールドだったが、現時点では0.3%に半減している。過去の経験則では逆イールド解消がリセッションにつながるケースは100%である。
<米国10年債チャート>
<米国2年債チャート>
(出所:Investing.com)
運用者の中には、米経済のソフトランディングシナリオの楽観論に乗っている向きがけっこう多い。やはり、ムーディーズの格下げがあれば(私はあると思うが)、米国株は相当下がるのではないか。
さて、日本株。いちよし証券の高橋幸洋さんによると「225オプションの2023年10月をみるとプット連動が3万円のところで1万4608枚ある」。日柄は10月19日に2023年8月18日からの「対等数値」が到来する。そのあたりでボトム形成接近と考える、と高橋さんは言う。ご参考までに。
チャートが示すように、まだ日経平均は長期上昇トレンドの中にいる(三井住友DSアセットマネジメント市川雅浩さん)。外国人の大量売りが主体なのだから、弱気は禁物、明るくいきましょう!
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