歌舞伎「マハーバーラタ戦記」と軟調がつづく原油相場のもたらす思惑。日本の個人投資家がもたらす新高値

歌舞伎「マハーバーラタ戦記」と軟調がつづく原油相場のもたらす思惑。

日本の個人投資家がもたらす新高値

2023・11・26(第1201回)

劇場チラシより>

 歌舞伎座新開場十周年記念とかで、以前観て面白かった「マハーバーラタ戦記」を楽しんだ。菊之助の人気がすごいことを再認識した。

 ストーリーは入り組み、しかも長いので、思い切って省略する。しかし、「死」と「復活」がないまぜになっていることは確かだ。

 さて、原油安がつづいている。9月中旬にはバレル91ドル。これが11月16日にはバレル73.12ドル。その後反発しているが、それでもバレル77ドル台。ほぼ15%下がった。

 日本は1日270万バレル輸入している。1ドル148円としてほぼ4億円。年間1460億円。5%として73億円。少ないといえばそれ迄だが、物価がある。この原油安は実は皆が期待している物価上昇を上回る賃金高のキメ手になる。

 OPECプラス1の減産が開始されるし、ウクライナ戦争も先が見えて来た。専門家はバレル80ドル近辺あたりが居心地がいい、としている。

ここで安定すると、ジワリと物価安になって来るだろう。好循環は近いのではないか。

このところ好調な日本株市場を支えているのは、外人が主体なのはいう迄もないが、実は個人投資家の売買量の増加が、けっこう大きい支えになっている。

チャートは前田昌孝・元日経編集委員の「マーケットエッセンシャル第95号」からとったが、明らかに存在感を増している。

前田さんによると「これ迄の個人の株式売買代金の最高記録は、アベノミクス相場が本格化した2013年の369兆8844億円だった」。

「年間430兆~440兆円になりそうだ」

個人投資家のウエイトも上昇している。2019年の19.6%が底で、2023年11月第2週までの合計は25.1%。一方、外人は2018年の71.5%がピークで2023年11月第2週までで67.8%になっている。

さて、私の結論。5、6年あとには、日経平均6万円以上に達する。

一高一低はあっても企業収益が平均10%増となり、PERがいまの14倍から17~18倍になると、6万円は軽く超える。その支えは個人投資家ではないか。

★12月25日に新刊が発売されます!★

『日本経済大復活 GOLDEN CHANGE』(Gakken)

テキスト

低い精度で自動的に生成された説明

(今井澂著、224ページ、1600円予定)

2024年からの日本経済は「ゴールデン・チェンジ」と呼べる大変化を遂げ、半導体やインバウンドを牽引車に成長路線に回帰します。日経平均株価が6万円を目指す流れを詳細に解説しています。オススメ10銘柄つき。通刊50冊目の記念の書です。是非お買い求めください。

関連記事

今井澈のシネマノミクス

日本海海戦と私が日経平均5万円を主張し続ける理由 (第1058回)

日本海海戦と私が日経平均5万円を主張し続ける理由 2021・4・4 (第1058回)

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

画「眼下の敵」とウクライナ侵攻の終りを読んで動き出した投機筋。そして商社株と金価格(第1106回)

米駆逐艦と独潜水艦が秘術を尽くして戦ううちに、艦長同士がまだ見ぬ敵を尊敬し合うという物語。

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「黄金」と金相場の今後
今井澂・国際エコノミスト

今週は「駆け込み女と駆け出し男」を観た。井上ひさし原作の「東慶寺花だより」の映画化だがよくまあ脚本と

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「サムライマラソン」と最長景気記録更新と今・来週の市場の 激動

主演の佐藤健が妻のお気に入りで、私としては珍しく試写会で見たのに2回目を。時代劇なのに英国人の監督、

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「用心棒」と中国リスクの再検討

このコラムで映画を導入部にする―という私のアイディアは、ちょうど上映開始になった作品がピタリ

記事を読む

PAGE TOP ↑