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日本経済の霧は晴れない(最終回)

2021/12/27 | 上級, 有料記事

「遠吠え」のペンネームで本欄の連載を始めた2016年3月末の日経平均株価は1万6758円だった。2021年12月24日の終値は2万8782円だから、5年9カ月で日本株は平均71.8%上昇した計算だ。上出来だったといえそうだが、米国のダウ工業株30種平均は1万7685ドルから3万5950ドルへ103.3%上昇した。日本経済も日本の株式相場もなお五里霧中だ。 日銀が12月20日に発表した2021

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米国が最高値更新となっても日本株が追随しないのは

日本人が売っているから   米国株の中核指数であるSP500はここ3日の上げで3.45%上昇、2週間ぶりに史上最高値を更新した。複数の強力な支援材料が重なったためである。第一が、英国、南アフリカの研究機関からオミクロン株は感染力は強いものの軽症で終わることが大半で、従来株に比べ感染者が入院に至る比率が7-8割低下、入院して以降の経過は従来株並みであったとの報告があったこと。言

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オミクロン株、日本は逃げ切り勝ちの公算

現在まで国内二次感染なしは驚異的   新型コロナウイルスは2年前に存在が確認されて以来変異を重ねてきたが、オミクロン株では感染および発症のメカニズムが大幅に変化しているのが明らかになった。直近の香港大学チームの研究では、感染後24時間のウイルス増殖速度は、気管支ではデルタ株など従来株の70倍だったのに対し、肺では10分の1以下だった。このことは、せき、唾液などによる感染拡大の

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乱気流相場が間もなく始まる公算大

FOMCと中国恒大のデフォルトが引き金に   上記2点が非常に重大なポイントであることに疑いの余地はない。しかし市場の反応はいかにも変である。最近のインフレ動向を見れば、米国だけでなく欧州でも金融引き締めの方向にあるのは確実で、債券市場はもちろん、低金利を背景とした投機性の高い商品全般にとってネガティブのはずである。ところが米国10年債利回りは1.435%と直近の最低レベルま

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「福笑い」のような相場つき

現実、展望と関係なく価格形成が行われている   前回、バブル相場の際には投資家が欲望のために見境なく買い進む動きが起こるため、理屈に合わない相場展開になることがあると書いた。昨晩のFOMCでは市場参加者が想定しうる範囲で、最もタカ派、つまり金融引き締めに積極的な判断および将来展望が提示されたのだが、これを受けた米国市場では、債券利回りは全く上昇せず、景気拡大が順調であることの

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89年12月の東京市場を思い出す

理性でなく投機と欲望がマーケットを支配する米国市場   今月最大のイベントが来週の米FOMCであるのは衆目の一致するところ。それに向けた最後の重要経済データが木曜の週次失業保険と金曜のCPI(消費者物価)であった。結果はほぼ事前予想に沿った非常に強い数字であり、しかも「感染症の法王」ファウチ博士がオミクロンによる重症化の可能性は低いとお墨付きを出したから、しばらく行動制限が強

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パウエル議会証言、テーパリング加速を示唆

やはり大統領の動向に敏感に反応   昨晩の米上院公聴会で、パウエル議長は2つ重大な発言を行った。現状のインフレに対し、「一過性である」との見解を撤回、毎月の資産購入額削減(テーパリング)幅の拡大を示唆した。パウエル氏は政府首脳の姿勢に忠実なので、大統領が明確にインフレ鎮圧を最優先課題として宣言している以上、これに沿った対応を取るだろうと予想されていた。  

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