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【中・上級者向き】「老後資金2,000万円」を巡る政争の愚 ~年金の抜本改革を急げ
金融庁の審議会が「老後の生活を維持するには、30年間で平均2,000万円が不足する」と指摘し、その資産形成に当たって私的年金や個人投資の自助努力を後押しするための施策を建議した。 この報告書が物議をかもして麻生大臣の報告書受取り拒否に発展し、先月行われた参議院選挙の争点になるなど騒ぎが拡大した。 この力作のどこが問題なのか。そもそも、日本は老後の生活の面倒をすべて政府が看てくれる社会主
【初・中級者向き】映画「天気の子」と意外なリスクの検討
2019・7・28 (第973回) 前回「君の名は。」で超大ヒットを飛ばした新海誠監督の新作で、周囲は若い人でムンムンしていた。お話は主人公の高校1年生森嶋穂高が田舎から都会に出てきて、船で知り合った人の事務所で働くところから始まる。 その事務所で「願うだけで晴れをもたらす少女」という都市伝説を調べて、ついに天野陽菜(自分では18歳と主張)を発見する。この少女は一部の場所だけだが晴れをもた
【上級者向き】年金の運用は巧みだったか
「老後2000万円問題」をきっかけに、公的年金の持続可能性が関心を集めているが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産運用が順調かどうかも、「100年安心年金」を支える重要な要件だ。2017年度からはESG(環境・社会・企業統治)投資にも乗り出している。さまざまな取り組みが運用成績の底上げにつながっているのか点検してみた。 GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を国内外の株式や債券に
【初・中級者向き】映画「さらば愛しきアウトロー」と過剰流動性相場の出発
2019/07/22 | マーケットEye, 無料記事 今井澂, 今井澂のシネマノミクス
(第972回) 2019・7・22 ロバート・レッドフォードの引退声明で大いに注目されている近作。実在したフォレスト・タッカーという人物の晩年を描いた。舞台は1980年代のテキサス。 この人は刑務所脱獄を18回成功し、12回失敗して、その間に銀行強盗を繰り返してきたアウトローである。強盗を働くときの物腰は柔らかで紳士的。上着の内側にあるピストルはちらりと見せるだけで、決して使うことはない。