インフレ、それともデフレ?

2020/05/24 | 上級, 有料記事

コロナ禍がインフレにつながるか、デフレをもたらすかをめぐって議論が百出している。総務省が5月22日に発表した4月の全国消費者物価指数(CPI)は3年4カ月ぶりに下落した。しかし、世界中で財政規律を二の次にした景気対策を講じているため、早晩、貨幣価値は下落するとの見方も絶えない。株式を買うべきかどうか判断が分かれる。 4月の全国消費者物価指数(2015年=100)は生鮮食品を除く総合が101.6と

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コロナ禍から9月入学移行は瓢箪から駒

足元の景気業績の悪さも、コロナ禍の一巡も織り込み済み ブラジルなど南半球で患者・死者の増加が顕著だが、猛威を振るった新型コロナも北半球全域で鎮静化に向かいつつある。米英の日々の死者数はまだ千人台、300人強と多いが、イタリアやスペインは100人強となり新規感染者も減少。ドイツ、ベルギー、オランダなどは50人内外となった。退院者数も増加しており、世界の累計感染者数÷退院者数は2.6

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モデルナ社の新型コロナワクチン、朗報だが想定の範囲

来年医療従事者に届けるのが精一杯、一般人向けは早くても22年 昨晩の米国市場は急騰し、SP500とNASDAQは3月安値からの戻り高値を更新した。背景は標記の新型ワクチンの治験フェーズ1(少数の患者への投与)が非常に好成績だったこと。先日のギリアド社のレムデシビルの報道とほぼ同じパターンだが、レムデシビルが重症患者限定(せいぜい年間100万人)に対し、ワクチンの場合は潜在ユーザー

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映画「13デイズ」とコロナ危機と中国政変。そしてワクチンで2か月3倍の或る銘柄 2020・5・17 (第1012回)

 1962年の「キューバ危機」を取扱った作品。そう書いてもご存じの方はもう少なくなったんだろうなあ。  当時は米ソ冷戦時代。1955年に革命を起こして、ソ連に接近していたキューバに、核ミサイルを配備しようと当時のフルシチョフ政権がたくらんだ。ミサイルを積んだ貨物船がすでにキューバにむかつて航行していた。  これを知ったJ・Fケネディ大統領は海上を封鎖し、ミサイルの配備は断固認められな

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コロナ最悪期脱するも、過度の楽観は禁物

政府のテコ入れで投資家心理は維持されるも、やがて将来不安が高まる 少なくとも先進諸国はコロナ禍第一波の峠は越えた模様である。日々の新規感染者数も死者数も減少傾向となり、北半球は夏場の盛りを迎える。コロナウイルスは高温多湿と紫外線に弱く、感染力は低下する。しかも特効薬とは言えぬまでも軽症から重症まで各段階で効果が期待できる薬剤がいくつも発見されており、続々と政府の認可を受けて医療現

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業績の透明性、通信と薬品、大手銀行が優れる

1-3月期純利益は前年比85%減、開票率はやっと8割に 3月期決算の発表は、コロナの影響で半分近い企業が延期しており、通常なら15日時点で保険5社以外は全部終了しているものだが、225採用銘柄で完了したのは159社だけ。6月にずれ込むのも2社ある。それでも現時点で完了したのは時価総額で79%を占めており、異常値が確実視されるソフトバンクグループと石油2社と大規模なリストラを公表し

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コロナ対策への期待感が先行、だが足元の業績悪化は厳しそう

先進国はコロナ感染の峠を越す、努力によって集団免疫率のゴールは下げられる 各種の統計データを見る限り、先進国は新型コロナパンデミックの第一波の峠を越えたようだ。ウイルス既感染者が増加しているのに新規感染者が増えないのは、「再生産数」がかなりの速度で低下しつつある証拠だからである。しかも北半球はここからコロナウイルスの活性が鈍る夏に向かい、どの国でも社会的距離の維持とマスク着用がほ

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