「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧
映画「ザ・ホエール」と巨体を持て余している中国の不動産バブルの破裂。ウクライナ3 (第1170回)
映画「ザ・ホエール」と巨体を持て余している中国の不動産バブルの破裂。ウクライナ32023・4・30 (第1170回) ブレンダン・フレイザーが、第95回アカデミー賞で主演男優賞を獲得した佳作。体重272キロの巨体で、余命数日と宣言された折も折、疎遠になっていた娘との仲を取り戻そうと努力する姿を描いたヒューマンドラマ。 私はまだ国民の生活が未開国並みの、年金や医療体制が整備され
村上春樹「街とその不確かな壁」と金価格2倍増の理由。(第1169回)
村上春樹「街とその不確かな壁」と金価格2倍増の理由。2023・4・23 (第1169回) 6年ぶりの新作で、1200枚の長編。3部編成で、私はほとんど徹夜して読んでしまった。「何て面白い小説なんだろう!」と久しぶりに読書の楽しみを味わった。ストーリーは省略する。主人公の17歳から47歳までの物語とだけ言っておこう。 第2部に、死んだ、図書館長の幽霊が、ベレー帽を被り、スカート
映画「用心棒」と迫り来るインフレ。オンス3855ドル目標の金価格。それにW・バフェットの新しい動き(第1168回)
「用心棒にもいろいろあるさ。雇った方で、用心しなきゃなんねえ用心棒だってある。」 ご存知三十郎の迷セリフ。場内がワッと大笑いしたのが記憶に残る。対立する2組のヤクザを互いに戦わせて、自滅させるというストーリーは有名だから、ご存知だろう。 黒澤明という天才の功績は偉大だ。この「用心棒」が「マカロニ・ウエスタン」という分野を生み、クリント・イーストウッドという俳優をTV「ローハイ
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能 性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 (第1167回)
映画「生きる LIVING」とトランプ再選の可能性。米企業収益悪化が抱く日米「ドカ」。 2023・4・9 (第1167回) あの黒澤明の名作をノーベル賞作家のカズオ・イシグロがリメイクした。こう聞くと「さぞかし感動するだろう」と誰しも思う。 しかし、現実は___。まつたく盛り上がりのない作品で、 私は少しも感動しなかった。 ストーリーはご存知の通り。役所の市民課に
禅語「白馬蘆花に入る」とリーマン危機と今回の比較。そして8月下旬の「ドカ」(第1166回)
言葉で云い現せない禅の体験を、苦心して云い現わそうとする言句のことを「禅語」という。 表題に使った「白馬蘆花に入る」は「蘆」(アシ又はヨシ)で、白い小さな花を咲かせる。そこに白い馬が入ると見分けがつかない。そのココロは、1つの道に黙々と徹する姿は実に美しい、というもの。 しかし私は、2008年のリーマン・ショックと今回の金融危機は、同じ「色」であり、これから起きる危機もまた同
映画「エブエブ」とジョージ・ソロスの「ウクライナ2」そして中国の大苦境。「3月のドカ後の作戦」(第1165回)
今年度のアカデミー賞に「エブエブ」が作品賞、監督賞、主演女優賞など7冠の圧勝。「エブエブ」とは「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」の略。 私は自分の頭がオカシイのではないかと思って、実は、2回観た。映画好きの友に「実は全くわからなかった」と云ったら、「皆が、あんな凡作がどうしてアカデミー賞レースで圧勝したのか?と聞かれて困っている。」と。 それもそうだろう。
映画「フェイブルマンズ」と欧米の銀行の破綻。(第1164回)
高値比半分になった小麦、そして今回の「ドカ」の行方 人間、歳をとりたくないものだ。誰でも加齢による創作力、発想力が衰えると、必ず自伝的な作品に逃げ込む。アカデミー主要7部門でノミネートされても1部門しか取れなかった。おすすめしない、退屈だから。 今回もシリコンバレーバンク(SVB)その他2行破綻は、急成長の反動と運用の失敗。SVBは2020年末に1160億ドルの預金額を、2021年末