「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧

宮本武蔵「一乗寺の決闘」と日銀のサプライズ政策。そして2023年の見通し(第1152回)

12月20日の日銀の決定は、サプライズとして受け取られた。金融政策は、黒田総裁の退位以降と考えられていただけに、予想していた向きは皆無だった。 具体的には0.25%から0.5%への長期金利変動幅の拡大。 そして量的にはQEを7.3兆円から9兆円と拡大した。 サプライズという意味では、宮本武蔵が吉岡一門との決闘で、若い子供の代表を切り捨てたのと似ている。 しかし、武

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映画「ラーゲリより愛を込めて」と2024年米国大統領は誰になるのか。そしてNYと日本の株式市場の行方 (第1151回)

主演の二宮和也がいいので、早速観た。 シベリア抑留そのものだ。昔のことになってしまったので、席の隣の若い女性が 「こんなことがあったのね」「私は知らなかったわ」 と云う会話が胸に沁みた。 87歳の私でさえ、収容所数が2000カ所を超えたこと、68万人が抑留されたことは耳新しかった。 主人公の山本幡男という人物は、まことに類まれな、いつも希望を抱きながらシベリ

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続「戦争と平和」世界リセッションに対する日本の強み。プーチン大統領の核兵器使用の可能性。そして2023年の大まかな見通し。 (第1150回)

今回はよく聞かれる質問をまとめる。 第1はドル高円安の今後。いつ迄?上限と下限は? 私は、明年第2・4半期に米国FRBが公定金利の引き下げに転じれば、円安は円高に変わる。上限は152円、これは日米協調介入でこれ以上ゆかせないという意思表示でもあった。 一方、円高は米国側が援護射撃してくれるので、日本製造業大企業の計画レート(明年には114、5円か)に止まる。 つまり、11

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映画「戦争と平和」と習近平新体制のもたらす明年前半の世界的リセッション。日本の相対的有利。(第1149回)

キング・ヴィダー監督のこの大作は、ナターシャ役にオードリー・ヘップバーンを使ったことで、永久に残る作品になった。(これ以上の適役があるだろうか?) IMFの世界経済見通しが発表されて2ヶ月。中国の見通しは過大で、2023年も3%台。場合によって2%台もありうる。 加えて米国は、第1・4半期に恐らくゼロかマイナス成長だろう。 利下げに4月に踏み切ったとしても、巨大な米国経済がプラ

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映画「RRR」と中国の不動産バブル破裂のもたらす衰退。そして日本の新冷戦による復活(第1148回)

このインド映画は、時代と表題に意味がある。1920年の英国の植民地だった時代。 Rは①RISE(蜂起) ②ROAR(咆哮) ③REVOLT(反乱)。 つまりインドの独立を願った革命家2人を描いた作品である。 今回この映画を取り上げたのは、1920年代の英国と現在の同国の状態を考えると、習近平主席の率いる中国が、将来、同じような運命を辿ると、私は考えているからだ。 折りも折

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映画「さらば愛しき女よ」と大予想を的中させたスーパーマンの紹介。日銀ETFと国民の大儲け。そして近く発生する大暴騰。そして近く発生する大暴騰。(第1148回)

そして近く発生する大暴騰 7月24日に愛妻 扶美子を失って4ヶ月。  夜寝る時に「夢でいいから出てきてくれ」と願うのだが、ごくたまにしか、そんなことはない。またとんでもない時に急に涙が止まらなくなる。まだ「さらば」とは言えない心境だ。  今回は映画の題だけで選んだので、ストーリーは関係ない。ただ原作の方は面白い。一読をお勧めする。  他人さまをほめるのはリスクがある。マー

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「ツキジデスの罠」とドルの地位。米国中間選挙がもたらしたトランプ復活の可能性減。そして株価の行方。 (第1147回)

「ツキジスのワナ」とは、アテネの覇権をスパルタが追い上げた時、必ず戦争になるというギリシャの哲人の言葉だ。現在でいうと米中の関係。世界中が固唾を飲んで先行きを見守っている。 これについて、必ず私の講演の時に出る質問が「米ドルは基軸通貨として今後も地位を保てますか?」である。世界の覇権は通貨が基軸,つまり世界中で通用している事が必要だ。 私が母校慶應義塾大学の三田校舎で学生に聞かれた質

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