「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧

【初・中級者向き】映画「ビリーブと日本電産ショックがなかったわけ

85歳の今なお現役の最高裁判事であるルース・ギンズワークさんが、一挙に有名になった裁判を取り上げた映画だが。副題の「未来への大逆転」が示すように男女の差別の公平化が決まった裁判で、主人公のルースの5分以上の熱弁をふるった場面がヤマ場になっている。 時代は1956年。主人公は名門ハーバード大法科大学院に入学する。当時500人の生徒のうち女性は9人で、女性トイレさえなかった。1970年代に入っても、

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【初・中級者向き】映画「蜘蛛の巣を払う女」と2019年の好悪材料

スエーデンで2005年に出版され、世界で9900万部を売った超ベストセラーの映画化だ。本国では2009年に三部作として映画化され、2年後ハリウッドで「ドラゴン・タトゥーの女」としてデビッド・フィンチャー監督で第一部を映画化した。今回は第四部の映画化で、「ドント・ブリーズ」の監督が起用された。 何と言ってもこの原作の魅力は女主人公のリスベットだろう。スエ―デン版ではノオミ・ラパス、ハリウッド版では

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【初・中級者向き】映画「アリー/スター誕生」と2019年の日米株式市場の動向

アカデミー賞候補とうわさされる映画を最近続けて2本、観た。一つは「グリーン・ブック」そして今回の「アリースター誕生」だ。前者は 前者は3月公開なので少し先に書くことにして、ブラッドリー・クーパーの製作、監督、助演、レディ・ガガの主演の傑作を取り上げた。 「スター誕生」といえば1937年の初制作以来、2回リメークされている。とくに1954年のジュディ・ガーランドとジェームス・メイスンの方は今で

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【初・中級者向き】大河ドラマ「西郷どん」とこの急落相場の反転時期

 ついに城山で西郷隆盛が死に、大河ドラマは終わった。私としては珍しく録画も使って全部観た。主役の鈴木亮平が適役だったし、島流しの時の妻の愛佳那を演じた二階堂ふみは私のごひいき。何よりも西郷ご本人の、僧月照との入水事件以来、西南戦争に至る「緩慢なる自殺」志向が、演出で画面に出ていたのが面白かった。 「西郷という人物がいなければ今の日本の姿はない」(磯田道史「素顔の西郷隆盛」)。  たしか

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【初・中級者向き】「般若心経」と18日の習近平講話と米国の対中隔離政策

 三蔵法師玄亟の名訳を、私は朝起きぬけに読経しています。写経も多少。亡くなった父と母が読経していたのをマネしているのだが、たしかに気持ちが休まる。読み違いはしょっちゅうやっているから、ご利益の方は疑わしいが。  岩波文庫とNHKの「100分de名著」で勉強したのだが、この262文字の経典には「色即是空 空即是色」という有名な一句がある。  「色」は物質的現象として存在するもので、「空」

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【初・中級者向き】ベートーヴェン「第九」と逆イールドとファーウエイ

楽団員のボーナス支給のためもあるのだろうが、ともかく日本中で200回演奏されると聞く。やはり年の暮れは「第九」で一年間をシメたいと思う人が多いんだろうなあ。  少し調べてみたら、F・シラーの「歓喜の歌」は元来、秘密結社のフリーメーソンでひそやかに歌われたもの。ベートーヴェンは感動し、9節108行の全部に作曲しようとしたが果たせず、32年もたってから「第九」の最終楽章に三分の一、36行を採用

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【初・中級者向き】映画「恐怖の報酬(オリジナル完全版)と米中首脳会談後の市場

 1953年のアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督の傑作のリメイク。1977年にウィリアム・フリードキン監督が作ったが、興行的に失敗、日本では30分かっとして上映された。今回フリードキンが複雑な権利問題を片付け、2013年に4Kデジタルでリマスター化、連年各国の映画祭でプレミア上映されて評価は急上昇した。実は待望の上映、である。  フランス版ではイヴ・モンタンの主演。リメイクは、はじめスティー

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