「 マーケット通信 」 一覧

FRBは引き締め姿勢を大幅に強めた 

年後半は経済や資産価格に大きなマイナス効果   16日の米国株式市場は結局大幅高で引けた。FOMCの結果は、0.25%利上げと、次回5月FOMCでのランオフ(資産圧縮)開始予告、16人の委員による年末までの平均利上げ回数が7.1回というもので、3月に入って急速に強まった市場の7回利上げ説に沿った結果であった。もちろん利上げは株式市場にとってはネガティブであり、発表直後の反応は

続きを見る

ウクライナ、ロシアの攻撃は継続困難

貧弱な輸送能力で早期のキエフ包囲に失敗   今の状況で相場展望を考えるなら、ウクライナの戦況の行方をある程度見通しておかないといけない。筆者なりに情報を整理して、一応可能性の高そうな想定を試みた。   侵攻直前のプーチン御前会議で、ドネツクなど2地区の独立の賛否を問われた側近が、緊張のあまりうっかり「併合を支持します」と答えてしまったことから、プーチンが

続きを見る

ウクライナより米国の状況の方が投資家にとって危機的

急速に低下している米国の成長率   ウクライナのNATO加盟阻止はプーチンの宿願であり、ウクライナ「政府」がそれに同意するまで攻勢を続けるだろうし、ごく一部の強硬派反ロシア系ウクライナ国民以外、命を張ってまで抵抗する意味はないと承知しているはずだ。プーチンがロシアに併合する気なのでは、という憶測があるが、そんなことをすれば巨大なロシアの中に民族対立の火種を抱え込むことになって

続きを見る

プーチンの黄昏

安全保障常任理事国にあるまじき行為に出た、このツケは大きい   マーケットだけでなく世界情勢全体がウクライナ問題に左右されている。より正確には、狂人化したプーチン大統領の胸先三寸になっている。   ロシアがウクライナへの全面的侵攻を開始した時点から、国連の安全保障理事会を頂点とする軍事的秩序維持の「システム(全体的な体系)」は崩壊した。拒否権という絶対的

続きを見る

ウクライナ人の結束が望外の援軍を招く

ロシア国内の反対運動と中央銀行の外国預託金封鎖でプーチン支持が急低下   筆者は、プーチンのことだから十分な下工作を打っているはずであり、圧倒的優位な軍事力を持つロシア軍がウクライナに侵攻すれば、防衛側は無駄な血を流すほどの抵抗はせず、比較的穏便かつ早いタイミングでキエフの陥落が終了し、(けして望ましいことではないが)ロシアが実質的支配権を奪うと思っていた。  

続きを見る

ウクライナ問題は面倒くさいだけ、危機回避は十分可能

プーチンの念願はウクライナのNATO入り阻止   ウクライナはモンゴルの侵略以後、様々な周辺強国の支配下にあり、国家として強い一体感を持つような歴史を持っていなかった。ロシア革命に乗じて、1918年民族主義国家としてのウクライナが独立したが、支配権をめぐって人民共和国軍、ソビエト赤軍、ロシア帝政派の白軍、白軍を応援する仏英ポーランド連合、無政府主義の黒軍、ゲリラ部隊の緑軍が入

続きを見る

ウクライナ問題でなく米国の焦点はイランでは

バイデン氏が危機感を煽るほど、イラン制裁緩和の価値が上がる   ウクライナの黒海沿岸部を含む南東側半分(クリミア半島やオデッサを含む)は長らくオスマントルコ領であり、100年前スターリンによりウクライナ共和国に含められたもので、非トルコ領地域とは言語的民族的シンパシーが薄い。元々のウクライナ自体が複数のコサック首領の連合自治領で、親ポーランド、親トルコが入り混じり、到底、団結

続きを見る

PAGE TOP ↑