【初・中級者向き】映画「眼下の敵」と米・中・朝のカード切り合い

 

2018・5・27

今どきは新作のいいのが少ない。「狐狼の血」はガッカリだったので今週は「レディ・プレイヤー1」の2度目。このコラム用はDVDで私が見たかった潜水艦ものの傑作の「眼下の敵」を観た。1957年の作品で、ロバート・ミッチャムとクルト・ユルゲンス主演。監督はデイック・パウエル。みんな故人になってしまった。

 

アメリカ駆逐艦とドイツ潜水艦が秘術を尽くして戦ううち、艦長同士がまだ見ぬ敵を尊敬しあうというストーリー。「こいつら、アマチュアじゃないな」というミッチャムのセリフは、当時高校生の私はシビれたものだ。

中国の独断専行

ご存知の通り、トランプ大統領のドタキャンで、米朝首脳会談が6月12日に予定通り開かれるかどうか、世界中が注目している。

「北」としては、いつもの通り揺さぶりをかけていたところに予想外のパンチで驚いただろう。しかしその後の反応は素早く、金桂冠外務次官が談話を発表した。

 

反発すると思いきや、「関係改善のための首脳会談が切実に必要」で「(トランプ大統領を)内心では高く評価していた」とゴマをすり「(米国案を)賢明な案と期待していた」。へええ。

そのうえで対話の扉は開かれていることをアピールしているのだから、ともかく、どうぞよろしくお願いします、という内容だ。今やボールは「北」のコートにある。今週中にも回答があるのではないか。まあ、勝負あり、じゃないか。

あと何十も追加制裁をやるゾ、とか「北」さえ言ってくれば6月12日に会ってもいい、とか、まあアメもムチも十分だ。

 

ワシントンの私の情報源は「会談キャンセルの最大原因は米朝両国の認識の乖離だが、次は中国の独断専行だ」と。

具体的には、勝手に経済制裁の一部を解除したり、在韓米軍撤退を「北」に促すなど、中国の独断専行に対し、政府首脳は「アタマに来ている」。そこで6月にハワイ沖で開催する予定の環太平洋合同演習(RIMPAC)に中国を招待しないことを決めた。またトランプ大統領のツイッターでは「中国との通商協議の完了は国難、最終的にはこれまでと異なる仕組みを考えなくては」とした。

 

これらの動きと株式市場との動きは次の通り。

  • 米国では軍需株が小幅安
  • 韓国では生コン、セメント、建設株が10%以上の急落
  • 日本ではトヨタなど自動車株下落、対ドル、対ユーロ小幅円高。

原油,銅は安く、市場には戦争ムードはどこへやら、といった状況だ。少なくとも緊迫状態ではない。まあ、世界の投資家は様子見。来週の展開待ちだろう。

映画のセリフから。ミッチャム艦長が言う。「破壊と苦痛に終わりはない。不死身の蛇のように、頭を切り落としても代わりが生えてくる。」少なくともこれ迄は、金王朝三代が続いたが、これからどうなるやら。

 

映画「眼下の敵」と米・中・朝のカード切り合い(第910回)

今井澂(いまいきよし)公式ウェブサイト まだまだ続くお愉しみ

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