映画「国家が破産する日」と反日文在寅政権の行く末(第987回)

まことによくできた韓国製政治経済サスペンス。1997年12月3日にIMF

とアジア開発銀行から550億ドルの緊急支援協定を締結した前後の官民の動きを描いている。

 危機で儲けようとする投機家、何も知らせてもらえない町工場の経営者。これに保身を図る高級官僚、さらに韓国に過酷な条件を突きつけるIMF専務理事と米国財務官が絡む。

 主人公の女性は韓国銀行の通貨政策チーム長で、危機の7日前に予知する。しかし上層部は取り合わず、その後、被害は拡大。すると危機の責任を主人公に押し付けて解任。IMFでなく日本からの通貨スワップを主張しても取り合わない。

 パンフレットある通りで「その時、政府は何をしたー」である。

主人公は言う。「(皆さんは)無知なのですか。無能なのですか?」この怒りが映画を貫いている。

 わたくしはこの映画を見ていて、最近の文在寅政権がまたウソを重ね始めたことを思い出した。外貨準備高を4000億ドルと公表しているが、実際は2000億ドル以下で、噂では500億ドルの説もある。実体経済の悪化も手伝って、対ドルのウオンレートは1100から一時1200までのウオン安となっている。もちろんドル高も手伝っているのだが、文在寅政権は外貨準備手持ちのドルを売り、ウオンを購入する為替市場での操作を行ってウオンのレートを買い支えているとい噂もある。最近は1150.

 噂だけではない。文政権に見切りをつけて韓国撤退が相次いでいる。

 米ゴールドマンサックス、英バークレイズ、豪マッコーリーなど国際金融資本が次々と撤退している。米GMも工場閉鎖を決めた。

 もちろん日本企業も、日立造船、富士ゼロックスなども韓国撤退。半導体のフェローテックホールディングスも同じだ。1000億円も投資している東レに注目が集まる。

あと数日でGSOMIAからの破棄が決まる。米国は国防長官以下制服組幹部が続々訪韓して説得にあたったが、どうも無益だったらしい。やはり文政権によって「従北、親中、反日、反米」が本格化してゆく。

 この人は本気で、「北」の核付きでの「ワン・コリア」を望んでいるらしい。中露も韓国の米国離れは、大歓迎だろうから、米国側も単なる要望ではなく、圧力をかけてゆくほかあるまい。

 では「圧力」とは何か。おそらく香港と同じように、保守派のデモを盛り上げるとか、国内での反文在寅活動を盛り上げて退任をせまるのが妙案と思う。「北」の指示で青瓦台が動いたという証拠でもあれば、なおいい。

 もちろん、反米を表面化させるのは文政権も恐ろしいから、当面は反日一辺倒だろう。いわゆる徴用工問題の「戦犯企業」の資産差し押さえと現金化。場合によっては、日本企業の在韓国工場設備の接収さえもあり得る。

 その場合、韓国経済の手かせ足かせになるのが、前述した外貨準備だろう。中国は自分の頭の上のハエを払うのに忙しく、また外貨をとても融通する能力はない。またIMF?やはり日本との通貨スワップに依存せざるとえないのではないか。どの面さげて、とは思うが、背に腹はかえられず、ではないか。

 今回は、歴史的高値を抜いたNYダウ、2万3000円から上放れた日経平均について書いている。

 先週号にすでに「QE4」の威力について述べていたので、予想的中。

付け加えることは、今回のQE4はQE2と債券購入量は同じ。7か月で6000億ドルの(2010年11月から2011年6月)債券購入。この間NYダウは18%上昇。

 これに加えて、トランプ政権が選挙のためもあり、制裁関税の一部延期という好材料があるのだから、NYダウの新高値更新はむしろ当然だろう。連れて日本株も高いことも当然と考える。

 何か悪材料が出れば「ドカン」があるのではないか?と誰しも考える。

しかし、株式投信からの流出資金の受け皿となったMMFが3兆6000億ドルもあるので「ドカン」でなく「ド」か「ドカ」くらいだろう。

 日経平均の方は売買累積量が少ない真空地帯を駆け上がる「意外高」があるだろう。これを早くから予想していた大和証券の木野内栄治部長に改めて敬意を表したい。また、圧倒的に弱気の多かったテクニカルアナリストの中でただ一人強気を言い続けた、三菱UFJモルガンスタンレー証券の宮田直彦さんにも。このお二人は間違いなく当たり屋である。

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