映画「フォレスト・ガンプ」と2020年日経平均3万円とジム・ロジャーズ(第995回)
1995年度のアカデミー賞の作品賞監督賞など5部門で受賞した名作。主演のトム・ハンクスが知恵遅れの青年を演じて主演男優賞を獲得したが、J・F・ケネディなどSFXで主人公と話す画面が話題を集めた。
主人公が上司の助言でアップルの株を買って財産を作って生活の不安をなくす部分を、さりげなく話したのを記憶している。
母親のサリー・フィールドが、息子に言う。「人生はチョコレートの箱のようなもの。食べるまで中身はわからない」。なるほど。味の深いセリフだ。
母親のいいセリフをいくつか。「お前はバカじゃない。バカなことする人がバカなのよ」。「死を怖がらないで。死も生の一部なのだから」。「過去を捨ててから前に進みなさい。」などなど。
過去を捨てろ、と言われて一番困るのはテクニカル・アナリストだろう。過去の動きからルールを読んで将来を予測するビジネスだからだ。私はよくわからない世界なので、徹底して“当たり屋”を探して信用することにしている。勿論私の自己責任だが。
昨年から、この世界での最高の成績を挙げたのが、三菱UFJモルガンスタンレー証券のチーフ・テクニカルアナリストの宮田直彦さんである。断言していい。
何しろテクニカル・アナリストの圧倒的多数が弱気派だったのに、ほとんど一人で強気を主張し続けた。
何といってもサラリーマンの世界のことだ。周りから足を引っ張る発言もあっただろうに。良く頑張ったね、と賛辞を呈したい。
何しろ1万6000円説が大多数だったし、ストラテジストでも2万2000円から2万円のゾーン停滞説論者が頑張っていたんだから。その中で日経平均や、半導体指数、中国株まで予想を的中させた。
では、2020年の宮田さんの予想はどうか。
エリオット波動の「サード・オブ・サード」という、流れの中で最大の上昇局面に入ったと読む。「持続的かつダイナミックな強気相場」と宮田さんは述べる。遅くとも2月に12カ月と24カ月の移動平均がゴールデンクロスを示すので、一段と強気だ。
最小ターゲットは2万6747円。これは1989年から2008年の下落に対し、61・8%の戻り、だそうだ。(ここいらは私にはよくわからないが)。ベストは3万円回復。
具体的には、引き続いての半導体株。また銀行株は2019年8月安値は三番底で、長期停滞は終わったとして注目している。
ではイマイ先生、あなたの予測は?と聞かれそうだ。2019年1月早々の私の予想は次のようにまとめていた。
- 関税戦争で米国圧勝でNY株価は急騰。習近平の立場は大いに揺らぐ。
- 日韓関係悪化で訪日客半減。
- FRB側が金融緩和(トランプ大統領の恫喝に屈して)
- ドイツ景気後退とEU分裂危機
- 英国メイ首相辞任
まあ当たった方じゃないですか。外れは「米朝会談で制裁緩和と核開発禁止とのバーター」。
まだ予想したものの実現していないのは「トランプ→ペンスの政権移譲」。これは私は本年6月近辺に予想している。ただし、NY株は下がるだろうが、幅は案外大幅ではないだろう。何しろMMF(キャッシュ当たる)が。3兆6000億ドルもある。「ドカン」が「ドカ」か「ド」ではないか。そう予想しています。
私がもう一つ注目しているのは、著名なまた伝説的な投資家のジム・ロジャース氏が、ひところ全部売却していた日本株を買い戻す作戦の検討を開始したことだ。
注目セクターは①農業②観光関連③ヘルスケア関連。
農業が意外に思われたかもしれないが、理由は次の通りだ。「扱い手不足が有名だがライバルがない現在、農業をし始めておけば15年後に大儲けできる。」銘柄ではなく、農業そのものらしいと一見考えるが、さにあらず。ロジャーズ氏は農業に絡むドローンやICT、AIに関連する銘柄らしい。 この人が買い始めるとはやはり強気は有利だ。
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