中島敦「山月記」と日経平均3万円突破後の世界、それに当たり屋の紹介(第1055回)

 教科書にも使われていたと聞くから有名な作品である。

 亡母満里のお弟子さんの中に、中島敦氏の息子さんのお嫁さんがいた関係も

あり「李陵」や「名人伝」「弟子」などはむさぼるように読んだ。

 内容はいわゆる変身譚である。原点は中国清朝の「人虎伝」と聞く。しかし中島

敦氏は自己告白ともとれる芸術家の運命の悲哀や狂気を変身の理由とした。

 野村萬斎氏がこの「山月記」を劇化した時にはもちろん観に行ったが、さすが

に狂気を見事に表現していたのが記憶に残る。

 では、イマイさん、どうして「山月記」をブログの題にしたの?

 変身、変貌がコロナショックで起ころうとしており、2月26日の1022円安

は、まあその大変化の予告、と私は考える。

 1月30日付の「週刊東洋経済」はいい特集をした。

「2030年に消える仕事・残る仕事」という特集で、次のように書いている。

  1. コロナショックで需要が蒸発したのは飲食やアパレルのような対面の商売、エ
  2. アラインや鉄道、ホテルのような移動を伴う商売。
  3. 反面、DXや巣ごもり消費に関連する業種は好調に拍車がかかる。(米ZOOMや

ネットフリックスの例を同誌は挙げた。)

  1. 突如現れたのが「脱炭素」。具体的には2035年までにガソリン車の販売をゼロにする。

同誌はこの特集の中で「2030年、仕事を急変させる七つのキーワードとして、次の変化

を挙げた。

  1. パンデミック②DX③AI、ロボット④脱炭素⑤ジョブ型雇用⑥ギグワーク⑦遊び

  耳慣れない向きに、老婆心ながら説明すると「ジョブ型雇用」とは「職務定義書」をもとに職務

(ジョブ)の達成度で社員を評価する。すでに日立、三菱ケミカル、資生堂などが採用している。

 「ギグワーク」とはネット経由で単発の仕事を請け負うこと。プログラミング、デザイン、翻訳、さら

にフードデリバリーなど。仲介サイトへの登録者は750万人を超した。

 かつて私は野村證券グループの総帥だった故相田雪雄さんに「“就社”」でな「“就職”をしろとの

教えを頂いた。「包丁一本、さらしに巻いて」という歌がその精神をよく表していることも。時代は

ようやく相田さんの先見力に追いついて来たようだ。

 これ以外にも大変化は随所に見受けられるコロナワクチンの開発が、近い将来ガンの撲滅につな

がる兆候が見えてきた。50歳代の読者の皆様に警告します。あなた方は100歳まで生きる公算が

大きいのですよ!投資で財産を増やしておかないと、大変なことになりますよ!

 投資の世界では何といってもロビンフッダーとビットコインだろう。日本では、やはり日経平均の

3万円大台達成ではないか。

 「その後すぐ2万8000円台まで割り込んだではないか」と言われるかも知れないが、私の代わりに

大和証券の木野内栄治さんの「マーケットテイップス2月26日付を引用しよう。ただし筆者がまとめた

ので少々原典とは違う。

  1. 1202円の大幅安の背景はFRB首脳の金利高容認姿勢。しかし現在、FRBは株高をしぼませたい時

期ではない。経済回復がまだ本復していないからだ。市場はスピード調整しているに過ぎない。

  1. 日経平均で900円以上安の場合は当面の底値であるケースが多い。月末に週末が重なった下げでも

あり、早々と底入れする。

  1. 米国の給付金交付も見逃せない。1月の一人600ドル、1月給付1350億ドル。今回は5月まで一人

1400ドル、3~4月給付4000億ドル。

たしかに3月中旬に入ってのNY市場での強い動きは、木野内さんの予想が正しかったことを、ウラずけして

いると私は思う。

もう一人。急落時に「絶対の買い場です。」と私にアドバイスしてくれた人も私は挙げたい。

FTR代表の箱田啓一さん。

 2月26日直後の3月1日のマーケットコメントで「市場ではワクチンや半導体争奪戦による景気回復

効果を先取りし始めた。3月11日に潮目を形成。3月末から6月に向けて上昇機運。」(筆者注「潮目」とは

上下動の激しい日のこと)。

箱田さんは2月25日から26日を」「潮目」を週の初め予想していた。(ちなみに3日目はプラス23ポイント、

26日はマイナス61ポイント、で2万9000円割れ)。

結論。私は依然強気です。

 「山月記」から。虎になった男が言ったセリフから。「理由もわからず押し付けられたものを、おとなしく受け取って、

理由もわからず生きてゆくのが、我々生き物の、定めだ」」

 時代の変化には、抵抗してはいけません。

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