映画「北京の55日」と習近平の自国のハイテク企業叩きとチャイナショック  (第1075回)

チャールトン・ヘストンとエヴァ・ガードナーそれに伊丹十三が出演した歴史

スペクタクル映画。1963年の作品だ。

1900年に清国内で起きた宗教団体義和団の外国人排除運動が高じて、

11カ国の居留民3000人が攻撃の対象になった。守る水兵、海兵隊は

わずか500名。

本来なら中国側は、外国人を守るべきだが、清王朝は宣戦布告した。

狂気の沙汰というほかない。

これに似た政策措置が、習近平体制下の中国で進行している。自国のハイ

テク企業への圧力、最後の狙いは共産党に有利な言論統制だ。

いい資料があったので、引用する。

パルナッソスインベストメントの宮島秀直チーフストラテジストの7月2

7日レポートから。

  1. 中国のインターネット利用者は2021年10億人を超えた。9600万人

の中国共産党の監視能力を超えた。党員一人当たり十人が限界とされる。

  1. 習近平国家主席の終身体制盤石化のため、巨大ネット企業のビッグデータ

接続を狙う。

  1. 製造業労働者急減が頭痛のタネの習政権は、巨大ネット企業の引き起こす

労働者不足をとめたい。

このため「中国国家安全法」を成立させ、規制の強化、処罰を繰り返してい

る。これで当局にとって具合の悪い情報は規制されている。具体的な銘柄

の株価下落状況は次の通り、

 アリババ集団(9988HK)、バイドゥ(9888HK)などは高値比40%をこえ

た下落。つれて香港ハンセン指数は高値比20%下げている。上海総合指数は

8か月半ぶりの安値である。(マネースクエア宮田直彦チーフテクニカルアナ

リストによる)

 宮田さんは「2018年5月のチャイナショックは、仮にあったとしても一

時的」と予想している。

 私は国際的運用をしているファンドの資産は10兆ドルはあるから、どこかが

破綻してグローバルな広がりがありうる。そのリスクは忘れてはなるまい。

 それにしても、習近平個人の権制欲のために成長企業グループをいじめて、

成長を阻害する。時代の流れに反する行為は、どこかで厳しく罰を被るだろう。

 では、イマイさん、日本は?

 サワギが起きるにしても、まだ先。

 現在の軟調に見える相場は、来年4月の外国人機関投資家好みの株式市場

に模様替えする準備段階にある。いわばジャンプの前のかがみこみ、である。

依然、私の強気姿勢は変わらない。

関連記事

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「検察側の罪人」と魅力的なマザーズ市場の注目銘柄

2018・8・26 原作はかなり前に読んだが、映画はずいぶん内容が書き加えられて、原田真監督の

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ベニスに死す」と我が国のコロナ不況対策の評価と、政府内のピークアウト予想  (第1006回)

ドイツのノーベル賞作家トーマス・マンが1912年発表した中編を、イタリアの巨匠ルキノ・ビスコンティ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「億男」と当面の相場展開と狙い目銘柄(第930回)

2018・10・21    妻が主演の佐藤健が好きだというし、先日の綾瀬はるかの」「ギボムス」で

記事を読む

世界的暴落、まずは第一ラウンドの下値の見当は付いた

不透明感強まり、米国利上げは先送り濃厚 物凄い下げである。225は11日高値20947円から25日

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「日本のいちばん長い日」と人民元騒動の真相

  漸くマジメな映画が見られるシーズンになった。今週は「バージン・アナーキー」と「こ

記事を読む

PAGE TOP ↑