映画「レッド・クリフ Ⅰ、Ⅱ」と対露戦略で人為的に下げさせられた原油価格。同盟国としての日本に投げかけられた美味しいエサと重荷 (第1129回)
1900年前の「三国志」つまり魏・呉・蜀の物語は誰も知っている。権謀術数に満ち満ちたストーリーは誰も飽かせない。赤壁の戦いの前後の周瑜と孔明のやりとりなど、ワクワクする。
現在展開している各種商品の値動きにも、権謀術数というか国家戦略が見える。
WTI原油。6月当時のバレル120ドル台が、8月上旬からなんと80ドル台に下げた。
8月16日は86ドルだ。
表向きで言われているのは、
- 世界的なリセッション
②米国でのガソリン価格高騰に歯止めをかけたいバイデン政権
③サウジの減産協力 などなど。
しかし、私にはロシアの戦費調達を食い止めるための、意図された原油安と考えている。
WTTやブレント原油などの一流原油と比較すると、ロシアが産出する「ウラル原油」は硫黄分が多く、バレル3、40ドルの格差があるのが、普通だったが、チャートに出す通り、一時100ドルを上回った。
ロシアの予算のバレル46.6ドルを見込んでいるから、WTIやブレントのバレル80ドル台の原油が続くと、予算より下回る。現実にそうなっているのだが、戦費の調達にかなり苦労することになる。
戦費の調達のほかに、兵士の調達も問題が多い。兵士の調達である。
ロシアは「兵士の母の会」という圧力団体がある。このためロシア人兵士は使わず、アジアや中央アジア系の少数民族を使っている。
「対ウクライナ戦争」というと、ロシア人兵士を使わなくてはならない。従って「侵攻」を使っている。
それでもロシア人を使おうとした高級将校は、12人も左遷されている。
人的資源がもともと少ないのだから、1万5000人(英国M16の推定)でも、不足気味になる。
そこに、ロッキード・マーチンの作った「ハイマース」が12基配備された途端に、戦時はウクライナ有利に展開している。
来る11月に米国と中国との首脳会議が開かれる。私の夢想では、習近平主席が、休戦を提案し、年末に和平達成、という案だ。
休戦交渉は永引くだろう。現在の南北韓国のように、何十年やっても交戦状況のままのまま、というシナリオも考えられないではない。
当然、米国としては、日本に要求することが多くなる。
- GDPへの軍事費の2%
- 8000億ドルのウクライナへの拠出(湾岸戦争の例)などなど
勿論、円安を認めてくれている。これが国恵としての第1号。
今後の課題は対中シンパの財界大物企業が対中進出をやめて、アフターチャイナのベトナム、台湾などに拠点をうつすこと。
ただし、経団連などの大企業に「米中は中国が勝つ」と明言している向きが多い。
岸田首相は「完璧な新冷戦」体制という米国側の要求のまとめ方が失敗だった、としよう。
今後3年間の「黄金の期間」はどこへやら。短期政権に終わる可能性すら、ないではない。
ただし、中国が勝つと論理は、私は怪しいと思う。チャートに示す通り、2010年をピークにして、生産年齢人口(15歳〜64歳)はすでに急速に低下している。
また出稼ぎ労働者の賃金は急騰し、もはや中国は「安い賃金」の国ではなくなっている。(リコー研の資料による)
赤壁の戦いは、疫病にかかった兵士が多く、船酔いで仕事にならなかった。そこで「連環の計」として船同士を結びつけた。風が変わった日を孔明は待ち受け、火攻めにして80万の曹操軍を打ち破った。呉と蜀の連合軍はたった3万で勝った。
圣団連のエラい方々も、予想というものはリスクがあることをお考えになることだ。
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