映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」と、3万円大台を達成しても動かない個人投資家

映画「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」と、3万円大台を達成しても動かない個人投資家

2023・6・11(第1176回)

WBCの優勝は野球を知らない人まで野球ファンになったと言われるほど、日本人全体がトリコになった。

結末は分かっていても、楽しい話は何べんでも聞きたい。今回の侍ジャパンの「世界一」話が映画になったが、やはり館内は満員だった。

白いバックグラウンドの前に立っている選手たちと観客

中程度の精度で自動的に生成された説明

準優勝の負けゲームが、ヤクルト村上選手の2塁打で逆転サヨナラになったシーンは、何回観ても私は興奮する。

大谷選手の「憧れるのを今回は止めましょう!」と云うゲーム直前の呼びかけも感動させられた。「敵」として戦うには、強い気持ちで立ち向かわなければならないからだ。

さて、日本の個人投資家は、この上げ相場でも売り越しになっている。到底「今回の大相場を信じている」とは、とても私には思えない。

外国人投資家の方が、よっぽど日本市場の割安さを信じている。私の友人たちの発言をまとめてみる。

①株価純資産倍率(PBR)つまり株価が解散価値(バランスシートの資産総額から買値を差し引いた「純資産」が株価と比較する。もちろん低い方が割安だ。)

最近月末。世界の平均的なPBRは2.63倍。一方日本は1.23倍だった。

ウォーレン・バフェット氏が購入した大手総合商社のように、いぜんPERはまだ一桁、PBRも1以下のものもある。

②株価収益率(PER)は、米国SP5OOは18.82倍。ナスダック総合指数の上位100銘柄は26.62 倍。

これに対し日経225種は14.4倍。通常14〜17倍と言われるから、やはり割安。

日経225種の1株あたり利益は2200円の水準と仮定しても17倍のPERで3万7400円。ここいらを目処にしているファンドマネジャーは多い。

当然、外国人機関投資家は猛烈に買い越している。現物に先物合計では4月3兆389億円の買い越し。5月は3兆4879億円。これほどの巨額な買い越しは2013年以降一度もなかった。

一方個人投資家は現物で8ヶ月連続で売越しである。信用取引は10週連続の買い越しだから、上昇相場は短期、と割り切っているらしい。

わかっていないな、と私は思う。東証の申し出でもあって、年間ベースで1兆円もの自社株買いで行われている。

本質的な買い材料がある事を、個人投資家の皆さんは、わかっていない。米中対立の「新冷戦」の深刻化に伴う我が国の地位向上だ。

1980年代、我が国は半導体で7割のシェアを誇っていた。

「ジャパン・アズ・NO1」なんて本がベストやらになっていた。当然、米国の中国を興隆させて、日本の足を引っ張る。

と同時に、日本を円高とデフレ、デフレと円高を悪循環に落としめる。(現にそうなった)

勿論半導体は、特許の無償公開、新しい半導体工場の建設禁止を行なった。韓国サムスン、台湾TSMCはこのおかげで大きくなった。

これが、ソニーとTSMCの合併工場が(米国側のOKを経て)建設されると云うことの意味は深い。

円安も普通は、米国のその筋から牽制球がきているのだが、黙認された。米国政権が、日本を大切な同盟国として、これまで以上に優遇し始めたことを意味する。

とりあえず、3万3000円。そのあとおそらく押し目は作るが、大きい下げではなく、3万6〜7000円へ上昇する公算は、極めて大きい。

銘柄は、自動車関連、大手商社。

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