映画「用心棒」と迫り来るインフレ。オンス3855ドル目標の金価格。それにW・バフェットの新しい動き(第1168回)
「用心棒にもいろいろあるさ。雇った方で、用心しなきゃなんねえ用心棒だってある。」
ご存知三十郎の迷セリフ。場内がワッと大笑いしたのが記憶に残る。対立する2組のヤクザを互いに戦わせて、自滅させるというストーリーは有名だから、ご存知だろう。

黒澤明という天才の功績は偉大だ。この「用心棒」が「マカロニ・ウエスタン」という分野を生み、クリント・イーストウッドという俳優をTV「ローハイド」の脇役から、名監督を生んだ。
米国のFRBパウエル議長などは、相反する要求にどう答えるか、悩んでいるに違いない。
インフレを抑え込むには、金利を引き上げ、マネーの供給を絞らなければならない。しかし、経営がおかしくなった銀行には金融緩和が必要になる、信用不安は大敵だからだ。

チャートは日経新聞4月2日付からとった。
「影の金利」とは耳なれない用語だが、総合的な引き締め度合いを示すもの。バーナンキFRB議長の分析手法を利用して算出される。現在1.7%。現実の政策金利4.75%〜5%に比べて低く、インフレが再加速する危険性をはらんでいる。
私が8月下旬の「ドカ」を予想する理由は、ここにある。
6月末の中間決算時に、依然引き締め(政策金利上昇)が続いている公算は小さい。
しかし、インフレが再燃し、債券価格は暴落(金利急上昇)が、私は相当な確率で発生すると考えている。

インフレといえば「金」。永い間お預けけになっていたオンス2000ドルの壁を4月に入っていとも簡単に抜いた。
先日若村栄四さんのセミナーに出たが「2029〜30年に3855ドルという目標値を言っておられた。
では、「ドカ」の底値は?
あくまでも推測だが、NYダウは3万ドル。日経平均は2万7000円。
これが明年春にはどうなるか。NYダウは3万7000ドル、日経平均は3万4000円。
材料はウクライナ侵攻の停戦又は休戦。
理由は、5つある。
第1はウォール街の新しい動き。JPモルガンは200億ドルから300億ドルの「ウクライナ復興ファンド」をローンチ。またブラックロックはゼレンスキー大統領の個人資産の運用の顧問契約を結んだ。
こうした和平を読んだ動きは、経験的に9ヶ月くらいで実現する。
第2はジョージ・ソロスが春の戦車投入でウクライナ戦況が目覚ましく好転する。
この人は軍事専門家ではないが、米国指導者層の動きから予言し、的中率は高い。
第3。米国は性能が旧式化したいわばスクラップするしかない兵器を、戦争を起こして消費し終わると休戦。
これを一定の間隔を置いてやっている。今回も明年2月までに、消費し終える。
第4。プーチン、習近平ともにメンツのたつ休戦を望んでいるが、米国のバイデン政権が阻止している。ロシアは大統領選がある。
第5。明年の米国大統領選で、ウクライナを援助し続けることは、共和党が半分、民主党が3分の1の反対がある。朝鮮半島型の休戦または停戦が採用されるだろう。
すでにこうした動きを読んで、投資の神様ウォーレン・バフェットが動き出した。日本の総合商社の株を7.4%まで買い増している。動き出して2年。すでにドルベースで2.5倍。我々も「ウクライナ復興の狙い目」を狙いたい。いかが?
最後に三十郎の終わりのセリフでシメる。
「さて、これでこの宿場も静かになるぜ。」
そこで縛られたままの権爺さんの縄を切って…
「あばよ」
関連記事
-
-
投資の羅針盤
「黒田バズーカ第2弾」は吉か凶か
帰結は金利7%への上昇か日本個人投資家協会 副理事長 岡部陽二 10月31日、日銀は長期国債の買入額目標を従来の年間50兆
-
-
映画「フィールド・オブ・ドリームス」とトランプVS連邦最高裁の判決の行方(第1018回)
私の大好きな野球もの映画。ロケ地となったオハイオ州北東部のダイアースビルの野球場はそのまま残さ
-
-
【初・中級者向き】映画「怒り」とヒラリー重病説とトランプ
2016・9・19 吉田修一原作、李相日監督というと6年前のヒット「悪人」が記憶に残
-
-
シェイクスピア「マクベス」とこれから始まる中国の覇権戦争勝利と、ここで狙いたい銘柄 第1038回
「キレイは汚い、汚いはキレイ」と唱える三人の魔女の予言に導かれて、主君ダンカンを暗殺して王位を奪
-
-
【初・中級者向き】映画「北の桜守」と米関税引き上げと米朝首脳会談と日本
2018・3・18 吉永小百合120本目の作品でしかも「北の三部作の最後」