「 マーケットEye 」 一覧

映画「レッド・クリフ Ⅰ、Ⅱ」と対露戦略で人為的に下げさせられた原油価格。同盟国としての日本に投げかけられた美味しいエサと重荷  (第1129回)

1900年前の「三国志」つまり魏・呉・蜀の物語は誰も知っている。権謀術数に満ち満ちたストーリーは誰も飽かせない。赤壁の戦いの前後の周瑜と孔明のやりとりなど、ワクワクする。 現在展開している各種商品の値動きにも、権謀術数というか国家戦略が見える。 WTI原油。6月当時のバレル120ドル台が、8月上旬からなんと80ドル台に下げた。 8月16日は86ドルだ。 表向きで言われてい

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米国雇用逼迫は長期化、利上げ局面は終わらない

市場の来年利下げ期待を大きく裏切る結果に   5日発表の7月分米国雇用統計は、最近市場に広がっていた「米国が来年半ばには利下げに転じる」という思惑に対し、それは全く根拠のない風説であると引導を渡すような内容だった。非農業雇用者数は、前2か月分とも上方修正したうえで、事前予想25万人増加に対し52.8万人の増加。平均時給は予想が前年比4.9%上昇だったものが5.2%上昇となった

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変な動き、急速な動きこそが大反転の原因となる

債券のオーバーシュートが為替にも波及   米国市場は、大幅な短期金利の引き上げと業績悪化にも拘わらず、材料をそれぞれ自分に都合よく解釈して早期の利下げ期待、悪材料出尽くしという反応の仕方をしている。10年債利回りは一時2.52%とFFレートの水準に接近、NYダウは一時33000ドルに迫る場面があった。メディアではGAFAMの決算を好感したと報じているが、筆者の受け止めた市場の

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映画「シャレード」と米国の金利見通しとNY株高。ただし中国の軍事演習の平和裏の完了の条件(第1127回)

私はスタンリー・ドーネン監督、ケイリー・グラント、オードリー・ヘプバーンのトリオの大傑作を思う。 いきなり、列車から放り出された男の死にがをがクローズアップされる。オードリーはその男の夫人。殺された男は、25万ドルの財産を持って逃亡しようとしてはたさなかった。 死んだ男の4人の同僚に加えて、ケイリーは謎の男として参加。意外な男が犯人なのと、なんと25万ドルが極めて高価な「切手

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何としても株価が下がっては困る米国のファンド筋

「FEDに逆らうな」が鉄則なのにケンカを売っている   米国の証券運用者にとっては、FED(つまりフェデラルリザーブボード、FRB)に逆らうなは誰でも知っている常識である。金融政策における絶対権力者であり、常時とはいえないが、マーケットの方向性を牛耳る存在なので、それに逆らったポジションを持つことは極めて危険であるからである。それでFEDウォッチャーと呼ばれる人々が、鵜の目鷹

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現代の宗教戦争、舞台はアメリカとウクライナ

米国の分断化もウクライナ侵攻も宗教的要因が大きい   こんなテーマで書こうと思ったのは、バイデン政権は中間選挙での敗北と年齢面から、4年で終わると確信したからだ。今回のコロナ感染もその思いを強くさせる。中国・ロシアとの対立、国内の分断化などの難問を、80過ぎの老人に任せようとは考えないだろう。24年11月の大統領選挙では、誰が大統領になるか全く見当がつかなくなり、予備選挙に向

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ヴェル「ボレロ」と心地よい反復が止まりかけている中国経済と米国の政界。そして漁夫の利を得る日本。(第1126回)

ラヴェルの「ボレロ」は、よくCMや映画で使われるから、ご存知の方も多いだろう。小太鼓がボレロのリズムを刻んで曲が開始され、なんと169回繰り返される。 メロディは2つあるが、フルート、クラリネット、ファゴットなどが次々と歌ってゆく。 この反復は実に心地よい。15分の演奏が足りないと感じるほどだ。 「反復」を続けて成功してきた国がある。 中国である。 この国で

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