「 マーケットEye 」 一覧

米国雇用は一段と逼迫、まだ下げ相場は三合目

利下げ期待が強いのに景気悪化は軽微と考える矛盾   今の米国市場は、金融引き締め局面が半年以内に終わって、夏場以降利下げ局面に入るということを前提とした価格形成になっている。しかも、株価に反映されている未来は、この利下げ局面はGDPや業績の下降を伴わない、非常にマイルドなものだとしている。バブル期間中にものすごい規模で積みあがっている、採算が立たないような先行投資、ベンチャー

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やっと米国の金融引き締めが始まる

FFレートがやっと長期期待GDP成長率を上回ってくる   マーケットで形成される債券利回りからは、来週FRBが利上げを計画しているなど信じられない。米10年債は7日に一時3.40%まで低下。1か月半前は4.33%まで上がっていた。2年債はさほど動いておらず、1か月半前4.63%、ピークが11月4日の4.88%、12月2日4.18%まで低下。   14日の

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続「戦争と平和」世界リセッションに対する日本の強み。プーチン大統領の核兵器使用の可能性。そして2023年の大まかな見通し。 (第1150回)

今回はよく聞かれる質問をまとめる。 第1はドル高円安の今後。いつ迄?上限と下限は? 私は、明年第2・4半期に米国FRBが公定金利の引き下げに転じれば、円安は円高に変わる。上限は152円、これは日米協調介入でこれ以上ゆかせないという意思表示でもあった。 一方、円高は米国側が援護射撃してくれるので、日本製造業大企業の計画レート(明年には114、5円か)に止まる。 つまり、11

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毒入り危険、食べたら死ぬで。利下げ楽観論

利下げの前に起きることを無視している米国市場   関西生まれの方なら、タイトルが84年のグリコ森永事件で「かい人21面相」が森永製菓に送った脅迫状に用いたフレーズであることに即座に気が付いただろう。新聞記者上がりの作家塩田武士がこの事件を20年余り追い続けた読売の記者と出会い、綿密な取材を元に書き『罪の声』というセミ実録作品として大ヒットとなり、『鎌倉殿の・・』で主演の小栗旬

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巨大需要が見えない中での半導体投資ラッシュ

IT系の新製品なし、対中制裁が狙いの大型投資   小学生時代から、自分で何かを調べて、その結果や展望を人前で発表するのが好きだった。85年の初秋、生保会社での大阪在任中に長谷川慶太郎の講演を聴講した。ほぼ同時にプラザ合意による急激な円高が始まった。筆者は意を決した。自分の興味があるのは変化の乏しい生命保険業界ではなく、あちら側だ。変化=リスクに対するクッション役である保険会社

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映画「戦争と平和」と習近平新体制のもたらす明年前半の世界的リセッション。日本の相対的有利。(第1149回)

キング・ヴィダー監督のこの大作は、ナターシャ役にオードリー・ヘップバーンを使ったことで、永久に残る作品になった。(これ以上の適役があるだろうか?) IMFの世界経済見通しが発表されて2ヶ月。中国の見通しは過大で、2023年も3%台。場合によって2%台もありうる。 加えて米国は、第1・4半期に恐らくゼロかマイナス成長だろう。 利下げに4月に踏み切ったとしても、巨大な米国経済がプラ

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資産形成はNISAの恒久化と iDeCo・企業型DCの拡充で

  先だって10月28日、岸田首相はブレア元イギリス首相の表敬訪問を受けた。 ブレア元首相といえば「第三の道」、すなわち福祉と自助努力の新しいバランスを提唱し、自助努力できるように国民を教育したことで政策を成功させた経歴をもつ。 当時ブレア首相が置かれていたイギリスの状況は、岸田政権が直面するいまの状況と酷似している、という指摘がある。アベノミクス新自由主義からの転換を

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