額面通り受け取れない米国市場の動き

予想外に強いインフレ率に対し債券が大幅高、リスク銘柄も追随 今月の経済指標で最も注目されるのが昨晩発表になった5月分の米国CPI(消費者物価)だった。事前予想は前年比4.7%上昇だったが結果は5.0%。最近上昇の目立つ食料・エネルギーを除くベースでは3.4%上昇に対し3.8%。もちろんここ数か月のデータには一過性要因が多く含まれているのを誰もが承知しているが、それでもここまで強いと明らかにイ

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「脱炭素」は間違った政策だとする注目すべき研究の紹介(第1068回)

 私が以前から指摘して来た暗号資産のインチキ性について、ようやく米国政府や米国の世論が動き出した。  WSJ6月8日付け「規制の不備が重なり、暗号資産市場で詐欺が横行している」と報じた。デジタルマネーの匿名性が根本原因、とも。  私にいわせれば、始めからワカっていたことではないか。  恐らく米国年金勢は、暗号資産から金への投資シフトをすでに開始している。ジワジワと先物価格が上昇

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インフレ楽観派が巻き返している米国市場

悪い指標ほど歓迎、テーパリング先送り観測を好感 週末の注目は米国雇用統計。一番注目度の高い非農業雇用者数は市場予想65万人を少し下回る56万人、同時に発表された製造業新規受注が前月比0.6%減と、やや弱めの数字が相次いだことを好感して、債券市場が急騰、10年債利回りは1.62%付近から1.55%台に急低下した。 足元で議論の対象になっているのは、FRBがテーパリングを開始するのはいつか

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なぜバイデン政権は6兆ドル予算に突っ走ったのか

生活基盤を崩壊された低所得者の選択がトランプだった 先週バイデン政権が10月に始まる22財政年度の歳出規模を6兆ドルとする巨額の予算教書を発表した。原案では、この予算は一過性ではなく、10年目の31年度には8兆2千億ドルに拡大する。大規模な増税策も盛り込まれているが、歳出増には追いつかず、毎年の財政赤字は1兆3千億ドルを超えるものとなる。計画通りなら10年後の連邦債務のGDP比率は117%に

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ミュージカル「ジーザス・クライスト・スーパースター」と 中国の台湾侵攻そして目先の相場見通し(第1067回)

 「現代のモーツァルト」と称賛されているアンドリュー・ロイド・ウェーバーの出世作。私はNYと東京、それに映画でも観た。  「私はどう愛していいか分からない」の美しいメロディーは、ご存知の向きも多かろう。「ミュージカル」としたが、現実のこの作品はセリフがなく、音楽だけ。まあ「ロックオペラ」の方が近いだろう。  では、なんでこの作品をこのブログにとり上げたのか。 このロックオペラは、キリ

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個人金融資産の山を投資へ向けて動かそう

日銀の発表によると、2020年末の日本の家計金融資産は史上最高の1,948兆円を到達し、2,000兆円に迫っている。前年比では54兆円の増加である(2.9%増)。時価変動の要因は+5兆円に留まっているので、コロナ禍の消費減によって49兆円も増えたということだ。 しかしながら残高の内訳を見ると、現金・預金の48兆円増に対して、証券(株式・債券・投信の合計)残高は302兆円(株式等;198兆円、

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MSCIの銘柄入れ替えで異例の大商いに

日本株の存在感が低下、新規採用ゼロで29銘柄除外 昨日はグローバル株式運用の基準指数であるMSCIスタンダードの年2回の定期入れ替え日。日本株は除外が29銘柄、採用はゼロという情けない状況。除外銘柄はカルビー、コカコーラジャパン、帝人、アマダ、太平洋セメント、しまむら、丸井、セガサミー、サンドラッグなどお馴染みの銘柄ばかり。前回の11月末は5銘柄採用で21銘柄除外とであり、ここ1年では50銘

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