「 今井澂のシネマノミクス 」 一覧

【初・中級者向き】映画「セルフレス/覚醒した記憶」とドイツ銀行とノーベル賞

 2016・10・9   すべての老人がもう一度青春時代に戻りたいという願いを持つ。ゲーテの「ファウスト」やオスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの画像」。映画ではルネ・クレールの「悪魔の美しさ」――。みんなこの願望がテーマ。だんだんと老化を遅らせる不老不死プロジェクトが進行している現在では、たとえSFにしても、もっともらしい近未来だ。 この映画のファウスト博士

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【初・中級者向き】映画「ブリジット・ジョーンズの日記」と第一回TV討論会とドイツ銀行

  2016・10・2 女性に大人気の「ブリジット・ジョーンズ」シリーズの第三弾。「ダメな私の最後のモテ期」という副題がつく。第一作は2001年でブリジット32歳、2005年が第二作だったから、47歳のはずだが映画では43歳。今やTVの敏腕プロデューサーになったブリジットだが、相変わらずドジで天然ボケキャラクターでこれも相変わらず部屋がゴチャゴチャ。でも失敗してもカワいいし魅

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【初・中級者向き】映画「マダム・フローレンス!」と日銀、FRBとトランプ

  2016・9・25 近く開かれる東京国際映画祭のオープニング作品で、実話をもとにした心温まる佳作。公開は12月だが試写会で観ました。主役はメリル・ストリープ、その夫でマネジャーがヒュー・グラント。 1944年10月に音楽の殿堂カーネギーホールは満員、ホールの外に入りない聴衆たちがいた。偉業は現代まで語り継がれ、今でもカーネギーホールのアーカイブ。一番人気だ。

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【初・中級者向き】映画「怒り」とヒラリー重病説とトランプ

 2016・9・19 吉田修一原作、李相日監督というと6年前のヒット「悪人」が記憶に残る。今回の方が映画としては出来が良い。八王子で発生した夫婦殺人事件が始まりで、犯人は名はわかったものの顔を整形して逃亡、行方がしれない。 2007年の英国の若い美人リンゼイさん殺害事件の犯人市橋達也が整形して無人島に潜伏。この事件が下敷きだが、犯人探しのミステリーではない。 殺人から1年

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【初・中級者向き】映画「君の名は。」と予想外の不安材料

 2016・9・11 大ヒットしている青春ものアニメで新海誠監督。あの大林信彦監督の名作「転校生」の男女入れ代わりを思わせるストーリーだが、福島、熊本などの天災に似た彗星の衝突をからませているところが、リアリティがある。大人の鑑賞に耐える美しい画面の映画だ。   舞台は山奥の小さな町。父を町長に持つ女子高生、三葉は古い風習にいや気がさし「来世は東京のイケメン男子

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【初・中級者向き】映画「後妻業の女」と自分年金の決心 

2016・9・4 黒川博之の原作が面白かったし、何といっても大竹しのぶが悪女を演ずるのが魅力で観た。予想通りほとんどが中年以上の夫婦連れで満席。殺される側の金満老人役が津川雅彦や六平直政、伊武雅刀などの芸達者だし、真相に迫る探偵役の永瀬正敏も良かった。陰惨になりやすい話だが、そこは大阪弁の柔らかさと軽快さで、面白い喜劇にしている。私は笑いっ放しだった。 小夜子(大竹しのぶ)は7

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【初・中級者向き】映画「ニュースの真相」と情報コントロール

  2016・8・28 2004年、CBSの報道番組「60ミニッツⅡ」のスタッフに再選を目指すジョージ・W・ブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑の情報タレ込みがあった。 プロデューサーのメアリー(ケイト・ブランシェット)は他局にさきがけ報道したく、完全なウラ裏付けが取れぬまま放映する。 ところが採用した証拠のコピーをブロガーが偽造と断じ、同業他局も激しく批判報道を

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