「 投資の羅針盤 」 一覧
「配当性向重視の銘柄選好を強めよう」投資の羅針盤 岡部 陽二
株式の長期投資にあたって、もっとも重要視するべき要素の一つは、配当である。配当が高い株は「高配当株」と呼ばれて長期保有され、資金が抜けにくいことから株価の安定的な伸びも期待できる。 では、企業はいったいどのくらい配当を重要視するものであろうか。 企業の姿勢を映す指標が「配当性向」である。稼いだ利益のうち、どのくらいの割合(%)を配当に回しているかを示すもので、次のように算出され
「英国経済はブレグジット完遂で再び成長軌道へ」投資の羅針盤 岡部 陽二
英国は昨年12月12日、ブレグジットの是非を改めて問う総選挙を行った。結果はボリス・ジョンソン首相率いる保守党の大勝であった。2016年の国民投票でEU残留を支持した多くの地域においてさえ保守党が票を伸ばし、結果として下院の650議席中365議席(47増)を獲得するという1987年以来の大勝を果たしたのである。EU離脱は、混沌状況からの脱却を求めた英国民の民意といえよう。いっぽう、労働党は
「期待値指標『PSR』を優良銘柄の選択に活用しよう」投資の羅針盤 岡部 陽二
期待値指標「PSR」を優良銘柄の選択に活用しよう 株価が割安か割高かを見極めるために使われる指標として、日本ではPER(株価収益率、時価総額÷純利益)、PBR(株価純資産倍率、株価÷1株あたり純資産)、それにROE(自己資本利益率、当期純利益÷自己資本、%)を使うのが一般的である。 ところがアメリカの投資家たちは「PSR」(株価売上高倍率、時価総額÷売上高)を重視する。 日本では
【中・上級者向き】私的年金・長期積立貯蓄制度の拡充強化を
2019年夏、「年金2,000万円問題」が物議をかもした。これは6月に公表された金融庁ワーキング・グループの報告書「高齢社会における資産形成・管理」のなかの、「老後は一世帯当たり2,000万円不足する」という記述に端を発している。マスコミや世論がこの記述に過剰反応して騒動になり、挙句、麻生担当大臣が報告書を受け取らない事態になったものである。 しかしながら、この報告書の内容はきわめて真っ当な
【中・上級者向き】「老後資金2,000万円」を巡る政争の愚 ~年金の抜本改革を急げ
金融庁の審議会が「老後の生活を維持するには、30年間で平均2,000万円が不足する」と指摘し、その資産形成に当たって私的年金や個人投資の自助努力を後押しするための施策を建議した。 この報告書が物議をかもして麻生大臣の報告書受取り拒否に発展し、先月行われた参議院選挙の争点になるなど騒ぎが拡大した。 この力作のどこが問題なのか。そもそも、日本は老後の生活の面倒をすべて政府が看てくれる社会主
【中・上級者向き】「外国株に目を向けよう」
「貯蓄から投資へ」の大スローガンが2001年に掲げられて、約20年。2014年には年金の目減り対策の「起爆剤」ともいえるNISAがはじまり、企業型確定拠出年金に加えて、2017年には個人型確定拠出年金(iDeCo)のリニューアルもおこなわれたが、投資への流れはなかなか定着しない。 多くの日本人にとってはいまもなお「資産形成=貯蓄」であり、そもそも資産形成と貯蓄の違いがわからないというのが実態