映画「ワイルドパンチ」と中国ショックⅡとFRB

カゼを引いて、しかも三日間で36冊目の本をまるごと口述。さすがにくたびれたのでDVDで1969年の西部劇の傑作「ワイルドバンチ」を観た。

有名な殺戮シーンのほかに、男の寂しさが描かれていたのだが、私には心にしみた。20世紀早々でもうガンマンや集団強盗の時代ではない。首領パイクを演じるウィリアム・ホールデンが「もう拳銃の時代は終わった。でもこの商売を止めたら何をしたらいいか分からない。」と副将格のダッチのアーネスト・ボーグナインに言う。

時代に取り残され、年齢には勝てない。パイクが馬から落ちるシーンもある。監督サム・ペキンパーは、その後のさびしそうな背中の演技を絶賛したそうな。

時代は変わる。7,8月の「夏の嵐」は中国主導の世界経済が、米英日の先進国主導に移行しつつある変化で発生したと考える。

変調は2011年に始まっていた

コマツの坂根前会長によると、同社の中国の販売シェア低下は2011年に発生したという。

2011年は米国のシェール革命で国としての復活が見えた年。私は「シェールガス革命で復活するアメリカと日本(岩波)」を早速書いた。採掘現場にも行き「21世紀最大の技術革命(ダニエル・ヤーギン氏)」であることを確信したからである。

中国の経済指標が好転どころか悪化し続けている。9月の輸入20・4%減は、いくら商品市況で減価したためと強弁しても、メチャ悪い数字に間違いない。

となるとFRBのヘレン・イエレン議長の性格もあり、利上げ実施が年内はもとより来年前半もむずかしい。

決断できないイエレン

これはまた聞きなのだが、ある英国の編集者の話。FRB議長との対談をまとめた記事にして、ゲラ刷りを見てもらうと―

グリーンスパンはせいぜい一か所の直しを入れ、バーナンキだと一段落ぐらいの直し。ところがイエレンは何と8回、校正して手直しした。彼女は決断のできない人だ、とか。

 

イマイさん、今回は何を言いたいんですか?

私は、「先週に続いて今週も相場は売り方の買い戻しで多少株価が上がった程度。マダゴロ寝はつづきますなあ」、と言いたいんです。

NYダウは月末から11月に下落

とくにNYは当分いい指標は出来そうにない。そこへ「少なくとも半年ぐらい利上げなし」の観測が高まると、為替市場ではドル売り圧力が強まる。とくに10月30日の日銀金融政策決定会合で現状維持、となればー。

いままでの株高のサポート要因は円安だった。しかし円安が円高に振られたら―。

もちろん、GPIFや三つの共済組合、日銀ETFなどの「クジラ」の買い出動は間違いなく行われている。1万8000円近辺に防衛買いらしきものも。

しかし、私の見るところ、しばし上昇のあと、中国発か米国国内かの材料で、NYダウの下落が今月末から11月にあるだろう。円高や日銀の現状維持も日本株の場合には足をひっぱるはずだ。

円高で企業収益が鈍化

すでに通貨オプション市場でドル円プット主体に短期中心にボララリティ上昇の兆しがある。月末の黒田バズーカ3不発で、円高リスク発生リスクを織り込む形である。あるテクニカルアナリストは115円。別のアナリストは98円。9月の平均119円40銭に比べると円高。企業収益の伸び率鈍化のシナリオを画きやすい。

ここまでの戻りだと投資家は評価損は少しは減少したものの、まだ買いを入れる意欲はないだろう。上昇している銘柄はショートの買い戻し中心。当分、私のゴロ寝は、続く。

 

映画のセリフから。

立ち寄ったメキシコの村で長老が言う。「どんな人にも子供時代に戻りたい夢がある。悪い事をして来た人なら、なおさら、じゃね」。この映画で村人の歌うラ・ゴロンドリーナ(つばめ)の歌が心を打った。

米CNBCを見ていたら、ヘッジファンドの廃業のニュースが目についた。22億ドルのベイン、中国で投資していたフォートレスそれにルネサンス・テクノロジー。解約もずいぶんあるんだろう。私の知っているマネジャーはどうなっちゃうかなあ。

 

映画「ワイルドパンチ」と中国ショックⅡとFRB(第796回)

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