映画「アナログ」とタイガース優勝と景気上昇、株高

映画「アナログ」とタイガース優勝と景気上昇、株高

2023・11・12(第1199回)

 ビートたけし原作の恋愛映画なんて、何とも不思議だが、二宮和也の主演ものにハズレはない。映画館の中で何人も泣いていた。

 相手役の波瑠が、何とも不思議なナゾに満ちた女性として画かれる。まず携帯をもたない。ある喫茶店にて毎週木曜だけ会う。コンサートに行きたいというのでつれて行くと、ピアノ協奏曲のいいところで席を立って逃げ出す。

最後は、半身不随になっていたはずの波瑠が、二宮和也の手に重ねて終わる。ハッピーエンドである。見ごたえがある佳作。一見をおすすめする。

グラフィカル ユーザー インターフェイス, アプリケーション

自動的に生成された説明

公式HPより>

 さて、巨人ファンの私は、セリーグのファンでもあるので、関西シリーズ(日本シリーズ)は阪神を応援していた。

双日総研の吉崎達彦さんは、トラキチで知られる。最近の「溜池通信776号」によると、今後2025年から40年間、日本は「上り坂」である。

①1868年から1904年:明治維新から日露戦争まで「上り坂」

②1905年から1945年:日露戦争後から第2次世界大戦の終戦まで「下り坂」

③1946年から1985年まで:戦後からプラザ合意まで「上り坂」

④1986年から2025年まで?:バブル経済から???「下り坂」

吉崎さんはある所でこの話をしたところ、ある若年歴史学者から「歴史のアナロジーに語り手の願望がこめられている」と指摘されて恥じ入った、と書いている。

私にいわせれば、とんでもない。プラザ合意以降、米国は「日本を叩き中国を持ち上げる」政策を推進して来たのだから、この指摘は正しい。

<出所:武者リサーチ「ストラテジーブレティン 第343号」>

チャートは、わが盟友・武者陵司さんのもので「チョウバツ的な円高から恩典的な円安へ」を明示している。

米国はプラザ合意以降「円高とデフレ、デフレと円高」に日本を追い込み、一方で半導体の日本のシェアを下方に押し込んだ。

恐らく米国指導者層は、台湾や韓国のように一党独裁から、中国も複数政党の民主主義体制にゆく、という思い違いがあったのだろう。

これが外れた、と知ったときのワシントンの動揺ぶりは、私もたまたま行っていたから肌にしみて分かる。「ミスター・シー」つまり習近平の名が恐怖をもって語られていた。

テーブル

自動的に生成された説明

<出所:武者リサーチ「ストラテジーブレティン 第343号」>

日本は、安倍晋三さんの登場で、大分持ち直した。米国指導者層の全部ではないにしても過半が「いくら何でも」と考えたのではないか。

当時、BRICSを発想して世界一のストラテジストだったジム・オニールが私にメールして「WE WANT ABE!!」。また「円を売り、日本株を買え、これが唯一の投資戦略だ」とした。

私は方々でこれを述べたが、本当にもうけたのはジョージ・ソロス氏ぐらい。残念だった。

さて、結論。

吉崎さんは「2025年が日本の底になる」をウラ付ける材料として、次の二つを挙げている。

①高齢化比率(65才以上の人口比率)は1985年にはわずか10%だったが、2025年には30%になる。団塊世代(1947~49年生まれ)は1985年には先頭が38才だったが、2025年には75才以上、つまり後期高齢者になる。

②財政収支。1985年度の歳出は52.5兆円、国債依存度は22.2%。これが2023年度は114.4兆円、31.1%に(これでも2020年度の73.5%から大きく改善)。

吉崎さんはまた、結論としてGDPギャップの大幅な改善を挙げている。コロナ下の2022年4~6月期はマイナス9.1%。これが今年4~6月期はプラス0.1%と久々に水面に顔を出した。デフレ脱却に向けての貴重な一歩をしるしたといえる。

結論、1985年も2023年も2005年も「阪神優勝の年は株高」というアノマリーがある。

皆さん、元気を出して行きましょう!

★12月25日に新刊が発売されます!★

『日本経済大復活 GOLDEN CHANGE』(Gakken)

テキスト

低い精度で自動的に生成された説明

(今井澂著、224ページ、1600円予定)

2024年からの日本経済は「ゴールデン・チェンジ」と呼べる大変化を遂げ、半導体やインバウンドを牽引車に成長路線に回帰します。日経平均株価が6万円を目指す流れを詳細に解説しています。オススメ10銘柄つき。通刊50冊目の記念の書です。是非お買い求めください。

関連記事

今井澈のシネマノミクス

映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」と「プリゴジンの乱」の今後。中国不動産バブル崩壊の行く末。それに日本株の底値と新高値。

映画「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」と「プリゴジンの乱」の今後。 中国不動産バブル崩

記事を読む

基本の話by前田昌孝(第8回)

<金融教育を国家戦略に?> 新聞に新しい資本主義の実現に向け、金融庁が金融教育を国家戦略にす

記事を読む

過剰投機で浮動株が少なくなった日経225
裁定取引で品薄化

前の勤務先が裁定取引の大手業者だったこともあり、先物インデックス関連の売買は1989年以来綿密にフォ

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

映画「ウルフ・オブ・ウオールストリート」とロビンフッド、さらに「まだまだトランプ」(第1035回) 

 毎回、このブログは日曜日の発行にしているので、土曜の24日にしたのに首をかしげる向きもあろう。

記事を読む

今井澈のシネマノミクス

【初・中級者向き】映画「翔んで埼玉」と日韓関係と3月買い場

私の生まれは江東区深川清澄町だが、小、中、高と埼玉県浦和市、現在のさいたま市浦和区で育ったいわば準埼

記事を読む

資産形成、長期の資産運用に役立つ、
プロの投資家による投資情報を配信!

投資家向けに作成したChatGPT専用ツールです。
銘柄コードを入力するだけで財務指標や適正株価を分析します。

ジャイコミをフォローしよう


 

NPOによる投資に役立つ情報メディア
『中立な情報を全ての個人投資家の為に』
PAGE TOP ↑