「 マーケットEye 」 一覧

市場予想よりマイルドだったFOMCの決定内容

景気不安が浮上したため量的引き締めペースを遅くした   昨晩のFOMCを受けて米国株価は急騰した。FFレートは予想通り0.5%引き上げられたが、量的引き締め(QT)の開始が即時でなく6月からとなり、当初は月間475億ドル、9月から950億ドルペースで削減ということになった。一部には0.75%利上げ観測があったし、QTは5月から950億ドルペースで開始との見方が優勢だったから、

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有吉佐和子「恍惚の人」と私の日経平均4万円説をウラ付ける175兆円の金融資産(第1114回)

「老いなき世界」を読んだ。ハーバード大教授のデビッド・A・シンクレア氏の世界的ベストセラーだ。 『老化は治療できる病である』というなんとも心強い文章である。一読をお勧めする。 「レスベラトロール」という抗老化薬の存在も。早く開発を進めてほしい。 現在我が国では健康寿命、つまり日常生活に制限のない期間は、令和元年で男性69.4歳、女性が72.65歳。平均寿命は男性78.07歳、女

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映画「殿、利息でござる!」と私の日経平均4万円説の背景(第1113回)

日本映画としては珍しい金融問題を取り扱った作品。中村義洋監督で、瑛太と妻夫木聡が主演。磯田道史さんの「無私の日本人」に所収されている「穀田屋十三郎」という評伝を原作としている。 250年前の江戸時代。財政難の仙台藩は重税を課し、そのために破産と夜逃げが相次いで発生していた。 小さな宿場町の吉岡宿で、さびれ果てた街の将来を心配した顔役兄弟が、途方もない案を考え出した。 「逆転の発

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ウクライナ侵攻は実はカネ目当て

没落しているロシアにとって強力な商売敵として台頭   冷酷だが理性的判断ができると思われたプーチンが、なぜこんな理不尽なウクライナ侵攻に踏み込んだのか、腑に落ちる理由が見つかった。今回の侵攻はロシアにとって「経済合理的に」魅力的な作戦であり、すでにガンに冒されパーキンソン病により体力も弱りつつあるプーチンにとって、短期間で目標を完遂し、ロシアの歴史に名を残すためには、この方法

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日銀の政策変更、賃金と求人倍率がカギとなろう

デフレ長期化の原因は「横」に配慮しすぎる日本人の性格   円がどんどん下がっている。もちろんその主因は米国FRBの姿勢が3月中旬から急速な引き締めを示唆するようになり、極端なタカ派委員は「7月末までの3回のFOMCで毎回0.5%の利上げ」を主張しているからだ。最もハト派とされるブレイナード氏でさえ次回5月4日の0.5%利上げを発言しているから、FRBの姿勢が相当に引き締め方向

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手塚治虫「火の鳥 黎明編」と円安メリットの再認識。「2」のつく年は「買い」説(第1112回)

手塚治虫は「鉄腕アトム」が超有名だし、声を受け持った清水マリさんは私の妹 充子の大親友なので、ご縁がある。 しかし何と云っても手塚治虫のライフワークだし、原作とした映画、アニメ、ラジオ、ドラマ、ビデオゲームなどで現在も“生きている”名作だ。 私は20代のサラリーマン時代に雑誌に連載されたのを読んだ。心を打たれた名ゼリフを次に述べる。火の鳥のセリフだ。 「虫たちは自然が決めた一生

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FRBの引き締め姿勢が頑強、米株主導で下げか

前倒しで利上げ方針に転換、株価が下落するまで続ける   最近FRBメンバーの講演では5月4日のFOMCでの0.5%利上げを示唆する発言が多くなっている。ハト派の筆頭と見られるブレイナード氏までそうだから、ほぼそれに決まったと見るべきだろう。筆者は0.25%利上げと量的引き締め開始の同時決定を見込んでいたが、FRB委員で特にハト派だった人々が、雇用や賃金に関する中期展望を大きく

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