「 マーケットEye 」 一覧
カフカ「変身」とマーク・ファーバー博士の不吉な予言。そしてフシ目をこえた円の対ドル安、そして私の強気(第1085回)
「ある朝、グレーゴル・ザムザは(中略)自分がベッドの中で巨大な虫に変わっているのに気が付いた」 この有名な書き出しで始まるこの短編は、まあ99%の方は読んでいるに違いない。 この「虫」という訳は正しくない。本来は「害虫」や「害獣」つまり「人間にとって有益でない生き物」という意味の言葉。ドイツ語はUngezieferである。 最近、時代の変化、特によくない変化を暗示する市場の変化
谷崎潤一郎「痴人の愛」と中国の将来第(1084回)
何回も映画化されているし、余りにも有名な作品だから、ストーリーは簡単に。 高級サラリーマンが、風俗業界(当時は「カフェ」と呼んだ)から十代の美少女ナオミを囲い、妻にする。 これが飛んでもない悪女だったのだが、主人公はますますのめり込む。この悪循環を谷崎潤一郎はこれでもか、これでもか、と書き込む。 物語は「ナオミは今年二十三で私は三十六になります」という一文で終る。谷崎流の「痴人
世界は増税、金融引き締め方向に転換しつつある
2021/10/12 | マーケットEye, 上級, 有料記事 マーケットインサイト, 木村喜由
緩和政策の弊害が随所に露呈、冬が近づいている 今後1か月間にビッグイベントが二つある。衆議院選挙と米国FOMCである。 衆院選では与党の勝利が確定的である。新総裁が決まった直後の選挙で自民党が負けたことはない。野党は千々に砕けており政権担当能力を議論するレベルを大きく下回る。岸田政権は非常に旧宏池会の人脈が濃厚で、自民党内で最も右寄りの政見を持っていた安倍・菅政権か