欧米のインフレは過剰なコロナ対策が主因の「財政インフレ」

超金融緩和に財政資金を注入、物価が上がるのは当然の結果   8月分米雇用統計は比較的マイルドな結果だった。当月分の雇用者増はほぼ予想通りだったが前の月が下方修正されており、久々に労働力人口(働く意思のある人口)が大きく増えた。結果として「失業者」の比率が3.5%から3.7%に上昇した。平均時給は前年比5.2%増でここ数か月ほぼ同水準。しかしCPIが8.5%上がっているから、実

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映画「大いなる西部」とウクライナ情勢の新展開。現在が何年かに一度の超買い場であることの証明。私の4万説。(第1132回)

ウイリアム・ワイラー監督が広大な土地とそこに生きる人々を描いた大作であり、同時に「対立」の物語でもある。1958年の作品。 東部からテキサスの牧場にやってきた男(グレゴリー・ペック)は牧童頭(チャールトン・ヘストン)から敵視される。牧場主(チャールス・ビックフォード)は隣の牧場主(バール・アイブス)は宿敵である。ペックは東部で知り合った牧場主の娘(キャロル・ベイカー)と結婚するため

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弾薬が尽きかけているロシア軍、内部崩壊を待つ西側諸国

急がば回れ。長期戦を辞さない構えがウクライナとNATO諸国を利する   時事ドットコムのサイトで米国「戦争研究所」が日々更新するウクライナ情勢マップを見ることができ、ロシア軍が実効支配している地域、ウクライナ軍が反撃し取り返した地域などが克明に表示されている。実のところ、5月中旬までの首都キーウ東方にある第二の都市ハルキウ周辺の奪回、南部の要所であるヘルソンへの接近以来、ウク

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市場参加者は覚悟せよ、と明言したパウエル氏

インフレ抑制のためなら景気も株価もある程度犠牲にする   ジャクソンホールでのパウエル氏の講演には驚いた。何が驚いたと言えば、講演時間がたったの8分40秒(予定は30分)だったことだ。余計なことは一切言わず、現状認識、今後のFRBの方針を手短に(つまり誤解を招く余地がないように)語っただけだった。   経済をきちんと見て新聞にも目を通している人にとっては

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映画「太陽がいっぱい」とNY株式市場に予想外の悪材料。一方、日本株は上昇基調を維持。「夢」のある大材料も。(第1131回)

アラン・ドロンのデビュー作で、この作品で大スターになった。 貧しさゆえに超大金持ちのドラ息子にゴマをすり、みじめな毎日。ついに殺人を犯し、サインを真似て大金を手にし、ドラ息子の美人のフィアンセを手に入れる。 ところが、船のスクリューに絡まった針金の先に死体が見つかり、一転して主人公のトムはどん底に。 NY株式市場の下げが、いつ、どこで下げ止まるか、という質問が多い。

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コロナ禍下で露呈した 医療の責任不在と非効率、その修復に向けて

前号・前々号では新型コロナの重症患者を入院治療する病院の体制を見てきたが、発症当初の受診窓口となり、軽症者の治療を担うクリニック(歯科などを除く一般診療所)の医療提供体制は、病院以上に集約化の機運すらなく、まさに“非効率”の塊となっている。ようやく、緒についた「かかりつけ医」制度とその前提となる一般クリニック集約化の重要性について考察したい。   「発熱外来」指定による受診クリニ

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基本の話by前田昌孝(第8回)

<金融教育を国家戦略に?> 新聞に新しい資本主義の実現に向け、金融庁が金融教育を国家戦略にするように提言するという話が出ていました(日本経済新聞8月30日付朝刊)。金融機関が手数料稼ぎのためにおかしな金融商品を売りつけることが多いから、注意喚起をするというのでしょうか。話の流れからみると、どうもそんなことではなさそうです。 日本証券業協会は1960年代から3年に一度、「証券投資に関す

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