「 マーケットEye 」 一覧

宮本武蔵「一乗寺の決闘」と日銀のサプライズ政策。そして2023年の見通し(第1152回)

12月20日の日銀の決定は、サプライズとして受け取られた。金融政策は、黒田総裁の退位以降と考えられていただけに、予想していた向きは皆無だった。 具体的には0.25%から0.5%への長期金利変動幅の拡大。 そして量的にはQEを7.3兆円から9兆円と拡大した。 サプライズという意味では、宮本武蔵が吉岡一門との決闘で、若い子供の代表を切り捨てたのと似ている。 しかし、武

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プーチンが亡命準備をしているとの報道

ウクライナ戦争は日本の防衛予算や財政を左右する   世界にとって来年一番重要となりそうなイベントは、ウクライナ戦争の帰趨だろう。筆者は最終的にロシアが全面的敗北に至るとみているが、早期に穏便な形で終結してほしいという望みは読者と同じである。もしここでウクライナが屈服するようであれば、力技のゴリ押しで領土拡大が可能という実例を残すことになり、同じ安保常任理事国である中国の侵略的

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来年は信用収縮で景気は悪化傾向に

米国市場が見逃している景気後退によるダメージに注意   前月からの一か月間、米国市場は一段と金融緩和期待が強まり、昨日のFOMCでは0.5%追加利上げが決まったというのに10年国債利回りは一時3.42%に低下するという奇怪な反応を見せた。FRB委員の今後のFFレート見通しを示すドットチャートでは、来年末の平均値が5.1%。会合後のパウエル氏の発言も、雇用のひっ迫は簡単に解消し

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映画「ラーゲリより愛を込めて」と2024年米国大統領は誰になるのか。そしてNYと日本の株式市場の行方 (第1151回)

主演の二宮和也がいいので、早速観た。 シベリア抑留そのものだ。昔のことになってしまったので、席の隣の若い女性が 「こんなことがあったのね」「私は知らなかったわ」 と云う会話が胸に沁みた。 87歳の私でさえ、収容所数が2000カ所を超えたこと、68万人が抑留されたことは耳新しかった。 主人公の山本幡男という人物は、まことに類まれな、いつも希望を抱きながらシベリ

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米国雇用は一段と逼迫、まだ下げ相場は三合目

利下げ期待が強いのに景気悪化は軽微と考える矛盾   今の米国市場は、金融引き締め局面が半年以内に終わって、夏場以降利下げ局面に入るということを前提とした価格形成になっている。しかも、株価に反映されている未来は、この利下げ局面はGDPや業績の下降を伴わない、非常にマイルドなものだとしている。バブル期間中にものすごい規模で積みあがっている、採算が立たないような先行投資、ベンチャー

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やっと米国の金融引き締めが始まる

FFレートがやっと長期期待GDP成長率を上回ってくる   マーケットで形成される債券利回りからは、来週FRBが利上げを計画しているなど信じられない。米10年債は7日に一時3.40%まで低下。1か月半前は4.33%まで上がっていた。2年債はさほど動いておらず、1か月半前4.63%、ピークが11月4日の4.88%、12月2日4.18%まで低下。   14日の

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続「戦争と平和」世界リセッションに対する日本の強み。プーチン大統領の核兵器使用の可能性。そして2023年の大まかな見通し。 (第1150回)

今回はよく聞かれる質問をまとめる。 第1はドル高円安の今後。いつ迄?上限と下限は? 私は、明年第2・4半期に米国FRBが公定金利の引き下げに転じれば、円安は円高に変わる。上限は152円、これは日米協調介入でこれ以上ゆかせないという意思表示でもあった。 一方、円高は米国側が援護射撃してくれるので、日本製造業大企業の計画レート(明年には114、5円か)に止まる。 つまり、11

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