「 マーケットEye 」 一覧

イエレン財務長官が黒田総裁を援護射撃

議会証言で低インフレの行き過ぎは危険と発言   インフレ許容度が高まったとの黒田総裁の発言が物議を醸したが、発言の内容自体は、金融当局の責任者、あるいは経済学者の立場からは何ら問題ない。だが、一般家庭では賃金上昇の恩恵は遅れがちであり、食品その他の日常物価の変化に敏感な女性においては、手持ちのお金が増える前に物価が上がれば怒りが先に来るのは当然のことで、この感覚に配慮せずに発

続きを見る

150円が視野に入ったドル円相場

米国が連続利上げなら135円は通過点に過ぎない   ドル円相場は歴史的な「大相場」を迎えている公算が強い。わざわざカッコ書きにしたのは、日本人にとっては自国の通貨が下がるということであり、円で表示される会計上の数値は膨らむかもしれないが、実質的価値としてはプラスかマイナスか判然としない弱みがあるからである。ただし株式市場を取り扱う場合は株価と企業業績に集中することになり、その

続きを見る

映画「かくも長き不在」と本格的な「良い円安時代」の始まり。そして私の強気。(第1119回)

カンヌ映画祭でグランプリを取った秀作。1961年の作品で、キネマ旬報の外国映画部門の第1位。黒澤明監督のベスト100本にも入っている。 「第三の男」のあの若く美しかったアリダ・ヴァリが中年女となって、戦争中にナチスに逮捕された夫を待っている。 パリの下町、セーヌの近くが舞台。 そこに年寄りの浮浪者がパリにやって来る。一目で夫と見た主人公は、声をかける。 しかし夫と見られる

続きを見る

「Rの悲劇」これから始まる長い物語

利上げとQTによって引き起こされる大規模な金融収縮   本日の表題はもちろんエラリー・クイーン作の超有名推理小説から引いている。Rの意味は寅年である今年のキーワードとした事象の頭文字、「TIGER」のRである。リセット、リフォーム、リトリ-ト、リジェクトなど今まで行われていたことが中止、撤回、撤収、資金引き揚げなどの事態に追い込まれるというイメージの全体を象徴している。

続きを見る

映画「トップガン マーヴェリック」と、中国経済の苦境と日本のインフレと円安。私の強気。(第1118回)

36年ぶりの「トップガン」!! 当然私は観に行き、充分に満足した。お勧めできる。 主役のトム・クルーズの59歳と思えない若々しい肉体。例によって全力疾走する姿。完全に画面を圧倒している。 ところが、この素晴らしいエンタメに対し、残念な情報がある。 WSJ 5月30日付けによると、「中国企業テンセントは当初、12.5%にあたる数百万ドルを出資する予定だったが、その後撤退した

続きを見る

日産・三菱のEV軽、日本における現実解を提示

各国の事情で大きく異なる「売れるクルマ」   ゴーン時代の負の遺産処理にコロナ危機が重なり、日産自動車と三菱自動車は正真正銘の経営危機に瀕した。日産の20年3月、21年3月期はそれぞれ6712億円、4487億円の純損失となり、株主資本は5兆3千億円から3兆9446億円に減少、一方で非効率な資産の圧縮を進め総資産は約19兆円から16兆4500億円に減少した。同様にその傘下にある

続きを見る

「平家物語」とラニーニャ現象。(第1117回)

私が4、5歳の時から「平家物語」や「十八史略」を読んだことはかなり前のブログで書いた。幼い頭の中に「盛者必衰のことわり」や「おごれる平家久しからず」といった言葉がきざみつかれたことは言う迄もない。 しかし最近、名古屋大学の中塚武教授の著書「気候適応の日本史」を読んで、アレレと思った。 平家の滅亡が、実は気候変動の結果と結びついている、という論旨だからである。 チャートを見て頂き

続きを見る

PAGE TOP ↑