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ソーントン・ワイルダー「サン・ルイ・レイの橋」とラニーニャ現象と私の「それでもトランプ」説(第1034回)
小品でも忘れられない作品がある。劇「我が町」で有名なソーントン・ワイルダーのこの小説は、当時中学生だった私に強い印象を与えた。 当時我が家の近くに教会があって、何回か通ったが、神がすべてをおつくりになり、小鳥一羽の死も神意である、と聞いていた。ところが少なくともこの小説の前半は、これを否定するものだった。 ペルーのリマの郊外に険しい峡谷に吊り橋があった。1714年には橋は切れ落
映画「鵞鳥湖の夜」と私の「それでもトランプ」説(第1033回)
久しぶりに妻の渋い顔をヨソに有楽町まで足を延ばしてこの作品を観た。「浅田家!」の方は文庫で原作(?)を買っているのでこれから。「TENETテネット」はどうもこうも、あと一回見ないと、ストーリー自体がよくわからない。 なんでそんなにヒットしていない、それも中国映画を観たかったのか。理由はカンタン。フィルムノワールが大好きだからだ。とくに監督のデイアオ・イーナンの前作の薄氷の殺人」が良か