基本の話by前田昌孝(第16回)
<官製市場、うまくいくのか> 岸田文雄首相が資産所得倍増プランを掲げているのを受け、金融庁がさまざまな仕掛けを講じ始めています。本稿ではそれらを紹介しようと思いますが、市場関係者の間からは「官僚の発想で何かしようとしても、生きたマーケットで機能するはずがない」との声も出ています。「貯蓄から投資へ」は実現するでしょうか。 第一の仕掛けは言うまでもなく、少額投資非課税制度(NISA)の
橋本龍太郎元首相の耳慣れない言葉
2023/04/30 | コラム 内田茂夫, 内田茂夫の時事コラム
5月中旬に広島で開幕する主要7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、岸田文雄首相がアフリカ諸国(4カ国)を歴訪すると伝えられています。報道によりますと、中国、ロシアが影響力を増すいわゆるグローバル・サウスと言われる国々と、国際秩序を守ることの重要さを共通認識として共有することが目的だとされています。 世界の分断が進む状況下でG7サミットの議長を務める岸田首相の今回のアフリカ訪問自体は大変重要
映画「ザ・ホエール」と巨体を持て余している中国の不動産バブルの破裂。ウクライナ3 (第1170回)
映画「ザ・ホエール」と巨体を持て余している中国の不動産バブルの破裂。ウクライナ32023・4・30 (第1170回) ブレンダン・フレイザーが、第95回アカデミー賞で主演男優賞を獲得した佳作。体重272キロの巨体で、余命数日と宣言された折も折、疎遠になっていた娘との仲を取り戻そうと努力する姿を描いたヒューマンドラマ。 私はまだ国民の生活が未開国並みの、年金や医療体制が整備され
村上春樹「街とその不確かな壁」と金価格2倍増の理由。(第1169回)
村上春樹「街とその不確かな壁」と金価格2倍増の理由。2023・4・23 (第1169回) 6年ぶりの新作で、1200枚の長編。3部編成で、私はほとんど徹夜して読んでしまった。「何て面白い小説なんだろう!」と久しぶりに読書の楽しみを味わった。ストーリーは省略する。主人公の17歳から47歳までの物語とだけ言っておこう。 第2部に、死んだ、図書館長の幽霊が、ベレー帽を被り、スカート